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大学教授が給付型奨学金制度より〇〇を優先すべきと語る説得力

2016/06/28 22:45 投稿

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 これは真剣に読む価値ある記事です。

 【つくられた貧困】「それで先進国なの」と驚かれる日本の教育事情 「貧困の連鎖」断つには(西日本新聞) - Yahoo!ニュース 

 なぜなら、大学の先生は普通こんなこと言えないからです。
財源には限りがあり、予算を貧困対策にどう使うかが重要となる。大学進学希望者を対象にした給付型奨学金制度の充実も重要だが、義務教育の底上げを優先すべきだと思う。

 大学の立場であれば、大学の生徒は増えて欲しいもの。ですから、ただでさえ、超話題の給付型奨学金制度については、大学の関係者なら「そうだそうだ」の大合唱に乗っかるのが普通です。

 そこであえての「義務教育の底上げを優先」という発言。これはすごい。

 実は私はこの記事を読み始めるとき、著者が大学教授と知りませんでした。つらつら読むうち、なんかこの人いうこと全部面白いと感じ、読み終えたのですが、そこで肩書き見てびっくり仰天したのです。

 いやー、立場に囚われずにされている発言というのはやはり引き込まれます。ネットのほぼ全ての発言は立場で説明できて、それ以上はある意味読まなくても用が足りたりするのですが、立場に囚われない発言は聞かないと何言い出すかわかりません(笑)

 ということで、この記事での主な提案をまとめておきます。
 「貧困の連鎖」断つには、(1)教育費の格差縮小(2)学力の格差縮小(3)学校生活の保障-を進める政策に、もっと国家予算を投じるべき。教育は未来への投資。
 
 貧困は今の問題でもありますが、少なくとも「貧困の連鎖」を断ち切れば、いずれ貧困問題を解決できます。もともと教育の充実も叫ばれていますが、貧困問題の観点からも重要ですし、将来の税収のためにも重要です。

財源には限りがあり、予算を貧困対策にどう使うかが重要。給付型奨学金制度より、義務教育の底上げを優先すべき。

つまり、小中学校の教員を増やしたり習熟度別授業や補習を導入したりして、義務教育の質を向上させる手段を開発することが重要。

学用品費などを助成する就学援助制度の充実や、完全給食や、教材を買わずに済む備品化も必要。
 その観点で、給付型奨学金制度より、義務教育の底上げというわけです。

 身も蓋もない言いかたですが、教育は若いほど効果が高いです。今の大学は、大学に残って研究者になるにはいい教育ですが、社会に出るなら大学行って元が取れるか微妙です。学生ローンで大学出て元が取れるかも微妙だし、税金で支援して社会が元が取れるかも微妙です。

 それよりは、より若い人の教育に振り分けた方が、リターンは大きいのです。

 身も蓋もないですが。

高校中退を防ぐ対策が非常に重要。高校の3年間は、学力はもちろんだが、労働搾取や犯罪、若年妊娠などから子どもを守る意味も大きい。
 これにはしびれました。言葉は選んでますが、つまり中退させたら貧困になって、私たちの税金で養わなければならないということです。「中退するのは自己責任」なんて言ってる場合ではないのです。

就学前支援が重要。この点、日本には保育所がある。福祉行政の観点で貧困対策の“最初の砦(とりで)”にすべきだ。保育士の処遇改善で保育の質を高めることに加え、親を支援するソーシャルワーカーの役割を果たす人材も配置できれば効果は大きい。

 保育士の処遇改善は今ホットな話題の一つですが、それは「貧困問題」であるという観点はあまり主流ではありません。しかし、ここをおろそかにすると、貧困問題は拡大し、私たちの税金や赤字国債に負担がかかります。保育士の処遇改善は私たち全員の問題なのです。

 大学教授のこの提言、自らの立場に縛られず重みがあります。


《ワンポイントミライ》(

ミライ: ほんと、すごいですね。この提言。

 だって別に「大学進学希望者を対象にした給付型奨学金制度の充実も重要だが、義務教育の底上げも重要だ」とか書いとけばいいわけじゃないですか。財源はほか削れで。

フツクロウ: ホウじゃな。
 

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