左派が今やいかなる意味でも「ユートピア」を語れなくなっている
そのつどユートピアを携えてこそ、哲学は政治的なものに生成し、おのれの時代に対する批判をこのうえなく激しく遂行する
ユートピアは《歴史》と対立する時でさえも、その歴史になお準拠しており、そのなかに理想あるいは動機として書き込まれている
資本主義終焉論と相互補完的に、資本主義は永遠であるという言説が強力に主張されている
市民主義的、社会民主主義的な力ない改良主義
アナキズム的侵犯行為(一過的な暴動? 万引き?)
近代以前的な「伝統」への回帰(アソシエーショニズム? 家族制度?)
国民皆兵とともに、憲法の天皇条項も廃棄するのが、ブルジョワ革命の要諦
人間の終わりには、三つの要素が絡み合っている
(1)歴史的政治的「人間」――歴史の終わり。
(2)経済的合理的プレーヤーとしての「人間」――疎外の終わり。
(3)身体としての「人間」――科学による終わり
人間は波打ちぎわの砂の表情のように消滅するであろう
構造主義以降は、本質とされる人間など虚構であり、物語の登場人物のようなものに格下げされた
大文字の歴史ではなく、一人一人の身体に根ざした人間の解放こそが重要だという人間主義が世界史主義
人間が、商品なしでは生きていけなくなり、分業のネットワークに委ねられ、骨の髄まで商品の滋養で生きている
資本と人間の勝負にならない対立、無限と有限が戦うようなフェアでない関係
資本の前では、人間は剥き出しになり、商品のネットワークにバラバラにちぎられて吸収される
ネットワークからのパラドックス的な差異の中にこそ、人々は生きる場所を求めた
神からも、その近代版である国家や「党」からも離脱するという絶対的な無政府主義
人間が資本に付き従い得ないこと、すなわち「疎外」という深刻な事態を、資本こそがより深く理解し、その克服を生き残りの至上命題として捉え返した
身体の制約を生物学・生理学的などのテクノロジーによって克服する課題として「疎外」を捉えた
人間の疎外は、人間をアンドロイド化し、身体のリミットから解放することで、克服される
中国共産党が展開する監視社会、情報化された電脳コントロール社会というディストピアは、人間を資本そのものとするための最先端実験場
人工知能の現実化に至るデータ処理の飛躍的進歩、そしてiPS等の再生医療などを通路にしての、生命工学の進展つまりは生命と機械、動物、環境の技術的接合の進展
国家から離脱する大衆の動きとデータ情報技術進展の奇妙な一致、それをめぐる人間と資本の壮大なドラマが、68年から政治空間に現れ、われわれをずっと絶えず運んでいっている
革命的経験が世代から世代へと伝わるのは、敗北によってなのである
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