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「とりはだ~!!」
中学の時に好きだった男の子。
席替えで隣の席になり授業中に言われた一言です。
当時から毛深いと思って悩んでいましたが、この出来事で一気に悩みは深刻化しました。
彼は私の腕の毛を一つまみ。そのまま上に引っ張り、あの一言を吐いたのです。
その後の記憶はありませんが、きっと固まってしまったと思います。
ムダ毛の悩みの始まり
小さい頃から人より毛深く、なおかつ肌の色が白かったので余計に毛深いことが目立ってしまっていました。
小学校の頃は私服登校でジーパンを愛用していましたし、まだ幼かったので「人より毛深いな」くらいに思っていた程度でした。
それが中学に上がり、好きな人ができた時、その人から言われた一言が決定打となり完全にコンプレックスとなってしまいました。
しかもその男の子は自分より毛深くなかったのもダメージが大きかったです。
中学は制服だったため長ズボンを穿くわけにもいかず、毛深い脚をさらけ出すしかありませんでした。
当時は思春期の多感な時期ということもあり、
「毛深いことに悩んでいるからどうにかしたい」
ということを母親に相談することすら恥ずかしくてできませんでした。
思春期
何とかしたいと思っていましたが母親にも相談できなかったため、手始めにお風呂場にあったカミソリで勝手に指の毛を剃ったことを覚えています。
一気に全身してしまうと、まわりに言われたりする可能性があり、それはとても嫌だったので最初は目立たない場所からやりました。
しかし母親は気付き、私に言ってからかってきました。
きっとそこまで思い悩んでいたとは思ってなかったのでしょう。
「指の毛なくしたの?」
「何もしてないよ」
「嘘うそ、なくなってるじゃん♪」
このやり取りをはっきりと覚えています。
多感な時期に言われた何気ない一言って一生覚えているものなんですね。
とても恥ずかしかったことを覚えています。
その後しばらくして私は諦め、母親に相談しました。
そして薬局で除毛のワックスシートを買ってもらいました。
その日の夜、自分の部屋にこもってさっそくシートを使ってみました。
期待と不安が入り混じってドキドキしたのをよく覚えています。
シートを張って時間をおいて、一気にはがす。
するときれいにシートの跡どおりに毛がなくなっていました。
驚きと嬉しさがありました。
しかし、それと同時に不安がありました。
「こんなに一気に綺麗になったら友達に指摘される。」
その不安がよぎってしまい、そこから処理を進めることができず、左足のひざ下一部だけがきれいに除毛された状態のまま次の日登校しました。
今思えば、そんな変な足で登校する方が目立って指摘されてしまうのに。
案の定体育の授業中、ブルマ姿で体育座りしていると、仲の良かった友達に指摘されました。
「あれ、脱毛したの?」
「え?何の事?」
「足、一部きれいになってる」
ドキッとしました。
この手のことは指摘されたくないものです。
そっとしておいてほしいのに、友達からしたら何気ない一言だったのかもしれません。
脱毛してみたと認めて普通に話せばよかったものを、思春期の私はできませんでした。
その時の苦しい言い訳が
「ガムテープ張りついちゃって、はがしたらこうなった」
間抜けというか苦しすぎる言い訳ですが、これが当時の私には精一杯でした。
その後の友達の返答は覚えていませんが、変に思ったことは間違いありません。
それから、回りの目もあって自分で処理することが怖くなり、中学卒業までは眉ひとつ処理することはできませんでした。
毛深いまま、私の中学生活は終わりを告げ、言うまでもなく、好きな人とは結ばれることはありませんでした。