週刊『夏野総研』

週刊『夏野総研』号外【Googleに異変アリ!? MVNOやロケット、Google+から見えた“新たな潮流”】(※再掲載)

2015/04/22 10:00 投稿

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▼号外
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     夏野剛メールマガジン 週刊『夏野総研』
                号外
【Googleに異変アリ!? MVNOやロケット、Google+から見えた“新たな潮流”】(※再掲載)
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 今回もGoogleに関わるニュースを「すごいGoogle」「さすがGoogle」「Googleの弱点」「Googleの誤算」の4つにジャンルに分け解説。これらを見ていくと、Googleの“2つの潮流”が見えてきた。
 
【すごいGoogle
『Google Maps』が日々使いやすくなっているのは感じていただけていると思う。下手なカーナビよりも使いやすく、ストリートビューの充実などその進化は目覚しい。そんななか、あるニュースが目に飛び込んできた。『Googleがマップ強化のために自前の人工衛星をインドから打ち上げへ』(http://goo.gl/naZZf7)である。
 これはスゴイことだ。もしこの人工衛星の打ち上げが成功すれば、Google Mapsの衛星写真を毎日更新することも可能にすることができ、マップ機能としての利便性が向上するだけでなく、貴重なデータにもなりえる。例えば、100年単位での地球環境の変化などをデータベースとして保管できるようになるのだ。森林の減少や砂漠化の進行状況だけでなく、地震や津波など災害からの復興状況、街の開発などいくらでも考えられる。人類にとって大きな一歩になるかもしれないポテンシャルと言っても過言ではない。
 通信の中継用途の衛星であればドコモなどが打ち上げているのだが、観察型の衛星を民生用のサービスとして打ち上げることは前代未聞。というのも、これまで観察型の衛生は軍事目的で使われてきたものであり、民間企業が打ち上げるというのは少し前では考えられないことだからだ。
 そして、この離れ業は他の企業にはマネできないというのもスゴイ。というのも、ビジネスモデルがないからであり、仮に打ち上げたとしてもデータを有料で売ることになってしまう。しかし、Googleは無料で提供することが可能。こんな時代が本当に来るとは……、まさにSF世界の話であり、本当にスゴイことを成し遂げている。
 
 マップやストリートビューでいえば、『Googleがエベレスト山周辺のストリートビューを作成』(http://goo.gl/Chm9Od)の話題も見逃せない。今でもストリートビューを利用すれば日本にいながら外国をバーチャル旅行することができる。今回、Googleはエベレストまでストリートビューに対応してきた。もし、いま話題のヘッドマウントディスプレイ『オキュラスリフト』と組み合わせたら……? 自宅にいながら、よりリアルにエベレスト登頂を味わえることができるだろう。このサービスはGoogleだからこそできたこと。まさに人類の進化に貢献することを行っている。
 
 人類の進化といえば、『なぜGoogleは人工合成皮膚を開発しているのか?』(http://goo.gl/4bKrte)や『Chromeで新規タブを開くと世界の名画を表示する 公式の拡張機能「Google Art Project」』(http://goo.gl/uN4bTm)も当てはまる。人口合成皮膚の開発の他にロボット開発も展開しているが、インターネットのみならず、周辺分野にも巨額の資金を投入し、科学や医学の進歩を強烈に推し進めようとしている。はっきり言って、アートプロジェクトはお金にならないサービスだろう。しかし、Googleの企業テーマは「インターネット上にある情報の再整理」。アートの世界の情報や作品も再整理し、社会に大きな役割を果たしている。
 
 衛星の打ち上げや周辺分野への巨額の投資を可能にしている大きな理由が、圧倒的な利益。『米グーグル純利益最高 10~12月41%増、広告が堅調』(http://goo.gl/P6OLFJ)というニュースがあったが、今やGoogleは時価総額が約40兆円(2015年2月時点)を誇る企業。そんな巨大企業が、ここまでの規模になってもなお成長し続けているのは信じられないこと。とても、17年前にスタートアップ企業だったとは想像できない利益だ。
 
【やっぱりGoogle】
 少し前にAppleのMVNOサービス『Apple SIM』が話題になったが、やっぱりGoogleもMVNO事業に進出してきた模様。『GoogleがMVNO事業参入か、年内サービス開始との情報』(http://goo.gl/HwCIWC)とあるが、AppleとGoogleが本格的にMVNO事業に参入すれば、キャリアの土管化はさらに進む。それは日本市場だけでなく、世界中でも言えること。キャリアの地位低下が決定的になる今、GoogleはMVNO事業に抜かりなく進出してきたことになる。
 
 抜かりないのは、『グーグルがSpaceXのネット事業へ10億ドルの投資決定』(http://goo.gl/GgYWaz)という投資も同様。インターネットサービスの“次の戦場”が宇宙だと把握しているGoogleは、10億ドルもの出資を行った。巨大企業だからこそ可能になる投資額であるが、意思決定の柔軟性は巨大企業とは思えないレベルである。同じことは『Googleが検索アルゴリズムを変更、サイトのモバイル対応度をより重視』(http://goo.gl/6uwbRL)というニュースにも言える。SEO対策などもあり、検索アルゴリズムは適度に変えていかないといけないが、その動きは素早い。加えて、世界的にモバイルの需要が増えていることを受けて、モバイル対応度を重視する決定を下すのも迅速であった。
 
 モバイル経由でのネット接続は世界中で増えているが、それにともないWi-Fiの需要も高くなっている。最近では飛行機の中でもWi-Fiサービスを利用できることが増えているが、『Google Flight』でフライト別のWi-Fiサービスの有無を検索できるようになったという。『旅行の前にチェックすべし。Google Flightがもっと便利に』(http://goo.gl/7ZlmdH)。このサービスによってGoogleが直接利益を得ることはできないが、「広告収入」というGoogleのビジネスモデルを考えてみれば納得。インターネットに接続できれば、検索サービスなどに繋がり、間接的に自社の利益になる。Google Flightというサービスを提供しながらも、同時にインフラを提供していることになる。
 
 IT分野ではIoT(モノのインターネット)が注目を集めているが、GoogleはIoT分野で先手を打っている。『特許から見るGoogleの「スマートホーム」構想:スマートドアノブ、スイッチ等をいかに活用するか』(http://goo.gl/3tG12I)というニュースがあったが、『Nest』という企業を買収していたからだ。スマートドアノブを活用するとのことだが、ドアノブは意外に重要なポイント。部屋の出入りには必ず触るものであり、照明や空調、その他の家電製品と相性もいい。Googleというよりも、Nestが先陣を切っていた分野ではあるが、買収した今、IoTを強力に推し進めていくだろう。
 
 
【Googleの弱点
 Googleといえども弱点も存在する。『複数SIMの切り替えやセキュリティ強化など GoogleがAndroid 5.1をリリース』(http://goo.gl/MK190W)のニュース、これは「さすがGoogle」のMVNOと重なる部分があるが、結局のところAppleの後追いとも言える。キャリアの土管化を見越した動きをしている一方で、OSレベルではAppleにまだ追いつけないのが現状。Androidの操作性もiPhoneやiPadにはまだ敵わない。素早い展開を行う一方で、あれほどの規模になるとなかなか改善できない分野もあるのだろう。
 
 デザインに関するニュースに『Googleが買収した企業が作った人型ロボットが完全にターミネーター!怖すぎると話題』(http://goo.gl/4ilqKp)があった。「ターミネーター」といえば聞こえはいいかもしれないが、やはりデザインがイマイチである。やはり、ユーザーインターフェイスやデザインに十分なリソースをかけてない。Googleの自動運転車のデザインに夢を打ち砕かれた人も少なくないはずだ。『GoogleがハードウェアだけのストアGoogle Storeを開店』(http://goo.gl/GgtfLj)、これはApple Storeをベンチマークしたものだろう。しかし、現状のデザインセンスが欠けたまま製品の販売店を展開したところで、Appleのような成功するとは到底思えない。
 
 疑問を感じるのが、『Googleが独自のタクシー配車サービスを開始か、Uberもこれに対抗へ』(http://goo.gl/CXG9r1)のニュース。
 

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