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木立が色づく去年の秋、林智子 (はやしともこ)さんは、雑誌の特集記事の準備に追われていました。
林さんの仕事は、クローゼットの整理やコーディネートで悩む女性たちに、対面でアドバイスする「クローゼットオーガナイザー」。対面のほか、ブログ、雑誌の特集記事、スタイリング講座など多方面で活躍しています。
林さんがファッション好きになったきっかけは、中学生のときオシャレ好きな親友に出会ったこと。
高校時代はパリで過ごし、パリジェンヌのシンプルだけどその人らしい着こなしに魅了され、パリコレにも触れて、さらにファッションのとりこになったといいます。
大学卒業後は、夢だったアパレル業界へ。セレクトショップのメンズフロアに配属され、憧れのデザイナーたちの洋服に囲まれながら懸命に働いた日々。でも、林さんがずっと憧れていた「バイヤー」は雲の上の存在だったそう。
「いま、こうした形でファッションの仕事で活躍できるようになるなんて、夢にも思わなかったですね」。
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■きっかけは片付けが苦手だったこと
いまの仕事を始めたきっかけを聞くと、ナチュラルな笑顔が素敵な林さんらしく、気取らない答えが返ってきました。
「片付けが苦手だったから」
子どものときから整理整頓は不得意なほう。結婚して家事と育児に追われ、その苦手意識が募ったといいます。
散らかった部屋を見ると、「なんでできないんだろう」と自分を責めてしまうこともあったとか。「そんな自分を変えたい」とライフオーガナイズのサービスを依頼したのだそうです。
そんなときライフオーガナイザーから教わったのが、その人の性格に合わせた収納術でした。「片付けができたら実現したいことを思い描く」というアドバイスにも共感し、「私がやりたいのはこれだ!」と感じたそう。
その直観に従って資格を取り、さっそく活動を始めると、林さんのクローゼットの収納やファッションのアドバイスが徐々に評判に――。
それから2年後の夏の終わり、雑誌社から、「林さんのアドバイスをまとめた特集記事を考えています。」と依頼がありました。
この特集の話が来たとき、素直に嬉しかったと話す林さん。オーガナイズの仕事の合間を縫って、コーディネートのヒントを探しに、ファストファッションのお店やデパートをいくつもまわったそう。
自宅での撮影日には、クローゼットを手際よく撮影していくプロの仕事ぶりにわくわくしたと言います。
■毎日を輝かせてくれる「サーモンピンクのストール」
ようやく撮影が終わったときには、これまでの疲れが一気に押し寄せたのか、風邪を引いてしまったそう。そんなとき、林さんが取り入れるファッション・アイテムを教えてくれました。
それはサーモンピンクのストール。数あるピンク色のなかでもこのオレンジ系のピンクが林さんの肌色に一番映えるのだそう。
いまいち調子が出ないときは、出掛けにこのストールをくるりと巻いて、お気に入りのピアスをぱぱっとつける。それだけで、自然と気持ちが明るくなり、「さあ、がんばろう」と元気が湧いてくるそうです。
本当に必要な、大好きな服、自分に似合う服に囲まれ、ファッションを軽やかに楽しむ。
そんな女性が増えることを願って、誰もが参考にできるような着こなしや、収納のコツをこれからもたくさん伝えていきたい――。
そんな思いが、林さんの輝きにあふれていました。
林智子(はやしともこ)
ライフオーガナイザー1級、クローゼットオーガナイザー、color+shapeカラーアドバイザー。お客様のクローゼットを整理して、より自分らしい素敵な装いができる仕組み作りや、ファッション業界での経験を活かしたファッション、お買い物のアドバイス、パーソナルスタイリングサービスを行っている。『Como』『CLASSY』など多数メディアで活躍。HP:SMART STORAGE! blog:くらしじてん