毎週金曜日22時すぎ、ひっそりと開店する、ここスナック「シュガー」。
人生勉強を兼ねて、「シュガー」で新人ホステスとしてアルバイトを始めた私、山根麻弥。不倫に二股三股、枕営業...欲望渦巻く酒場で見た、男と女のアレコレをみなさんにもお伝えしちゃいます！
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☆優しいけどときめかない典型的な「いい人」
「シュガー」で知り合った30代半ばの男性Sさんは、おしゃれで見た目も若い感じで、性格もとても「いい人」でした。
私の誕生日のときには有名なケーキ屋さんで特注のキャラケーキを用意してくれたり、来店するときはいつも何かしらお土産（しかも全員ぶん！）を持ってきてくれたりと、気配りも素敵な男性。
しかも週に1回は必ず来てくれるというとってもいいお客さんだったんです。「ほかにお客さんがつかまらなくてヒマなときは呼んでね。できるだけ行くから」と。
☆良心スレスレの色恋営業を継続
ただひとつの問題は、バツイチのSさんは、ゆくゆくは「結婚相手」になる女の子を探していた、ということ。
もちろんキライではないけれど、結婚する気なんてさらさらなかった私。嘘は言わないように、でもお客さんとして繋ぎ止めておけるように「じっくり相手のことを知りたいから、いつもつきあうまで時間がかかるの」「あなたのことも嫌いではないけどまだつきあいたいほど好きではない」という言葉でのらりくらりと交わしていたんです。
良心が痛むときもあったけど、ホステスとして、女として、「嘘はついていない」ということだけで自分を納得させていました。
☆誕生日に大どんでん返しが！
そんな微妙な関係性が半年くらい続いたころ、Sさんの誕生日が。しばらく忙しくて連絡をとっていなかったけど、私も盛大にお祝いしてもらったし、と出勤前にSさんを呼び出すと、そこで衝撃の発言が。
「俺、結婚します」と！ ビックリしたけどSさんのためを思うと喜ばしいことだし、自分の肩の荷も下りた気がして「おめでとう！」と心から言ったのですが...、話を聞くと、相手は以前「シュガー」をクビになった女の子・Kちゃんだとのこと。
Kちゃんは、私目当てでSさんが来ているときからSさんに好意を寄せていて、私が連絡をとっていない間に果敢にアタックしていたようです。でも、Kちゃんは悪い噂が絶えず「男は金！ 貧乏人大嫌い!!」と言い切る子。
Sさんは私に「働かなくても俺が養ってあげるのに」とよく言っていたので、狙われていたのかも!? と不安になり遠回しに忠告したのですが、Sさんは舞い上がっていて聞く耳を持たない様子。まぁもしそれで気が変わっても責任はとれないし、ということでふたりの幸せを祈ることにしました。
しかしそれもつかの間、聞いた話によると、どうやらKちゃんはお金持ちのおじさまとSさんで二股をかけているよう。焦って1週間で結婚まで決意するからゴタゴタするのでは...。
現在は傍観して決して関わらないようにしていますが、それにしても、Sさんは結婚できれば誰でもよかったのかい！ と複雑な心境になりました（笑）。
photo by Thinkstock/Getty Images
