人は誰だって、容姿から内面的なものまで、どこかしらに自分の嫌いな部分があるはず。
でも、そんな自分を好きになる強さをくれる作品があります。それが、2016年7月16日(土)から公開の『ファインディング・ドリー』。
あの大冒険から一年後
本作で描かれているのは、前作『ファインディング・ニモ』から一年後。忘れん坊のドリーは、ある日突然家族との記憶をとり戻します。でも、いま家族はどこにいるのか、家はどこにあるのか、肝心なことはまったく思い出せない。そこで、唯一の手がかりである「カリフォルニア州モロ・ベイの宝石」を頼りに、ニモとマーリンの助けを借りながら、家族探しの旅へと繰り出すのです。
日本語吹き替え版には、ドリー役・室井滋さん、マーリン役・木梨憲武さん、新登場キャラクターのハンク役に上川隆也さん、ディスティニー役・中村アンさんなど、豪華な顔ぶれがそろっています。
ずっと眺めていたい。幻想的な海の描写
6月29日に行われた記者会見には、アンドリュー監督とアンガス・マクレーン共同監督とともに、日本語吹き替え版キャスト陣も登壇。『ファインディング・ドリー』について語ってくれました。
室井「この作品は、とにかく海の描写が美しいんです。それから、キャラクターたちは皆それぞれハンデを持っているけれど、それをマイナスじゃなくてプラスに捉えていて、ひとつの個性として過ごしているんですよ。そんな姿が胸に刺さる作品だと思います。私もドリーのように生きていけたら、なんて考えましたね」
上川「僕が演じるタコのハンクは、ドリーに巻き込まれて旅をするハメになるんです。すごく男気のあるタコなんですけど、じつはコンプレックスも持っていて。そういう人間臭さが魅力なんじゃないかな」
室井さんが話していたように、以前『ファインディング・ニモ』で話題になった美しい海の描写が、今回はさらにパワーアップしているのも注目したいところ。最新技術で表現されている海の幻想的な世界は、ずっと眺めていても飽きることがないほどの完成度です。
自分のコンプレックスを受け入れる
『ファインディング・ドリー』では、家族愛、友情に加え、自分自身を受け入れることの大切さについても描かれています。
本作を製作するに至った理由をアンドリュー監督に聞いてみると、
「『ファインディング・ニモ』の3D公開が決まったのをきっかけに、もう一度作品を見直してみたんだ。そのときに自分はドリーをずっと心配していたんだと気づいたんだよ。ドリーは何でもすぐに忘れてしまう自分を恥ずかしいと思っていて、いつも謝っていた。でも、僕はもうドリーに恥じてほしくなかったんだ。自分のことを好きになってほしかったんだよ」
とのこと。
本作ではドリーだけでなく、タコなのに7本足のハンクや、視力が弱く泳ぐのが苦手なジンベイザメのディスティニー、イルカの特殊能力を失ってしまったと思い込んでいるシロイルカのベイリーなど、どこかしらにコンプレックスを抱いているキャラクターが多数登場します。
仲間との出会いやピンチを乗り超えていくたびに、コンプレックスを長所として受け入れていく。そんな魚たちの姿に感動するとともに、改めて自分を見つめ直すことができます。
誰もが皆ひとつは持っている、自分のなかの弱い部分。でも、弱い部分も含めて自分は自分だと言い切れる強さをもらえる作品です。
2016年7月16日(土) 全国ロードショー
配給:ウォルト・ディズニー・スタジオ・ジャパン
取材・文・撮影/浦田昆
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