異動や新生活などに伴い、人間関係にも動きがでてくるこの時期。春は日本人にとって「はじまり」の季節です。さまざまな場面で経験する人間関係の変化により、普段よりも少し緊張感が高めの日々を過ごす人も多いのではないでしょうか。

無意識の焦りでがんばりすぎる季節

新しい人間関係が始まるとき、わたしたちは無意識に焦りを感じています。これは「早く自分のことを知ってもらわなければ」という気持ちがもとになっているから。自分という人間を正しく知ってもらって、早く自分の立ち位置をはっきりさせたい。そんな気持ちからやってくる焦りが、わたしたちを普段よりもがんばらせてしまうようです。

また、「相手側の期待に答えなければ」という焦りの気持ちもあると思います。職場の新しい人間関係、ママ友とのお付き合いなどさまざまな場所で自分をきちんと見せたいという思い。そんな責任感の強いがんばる気持ちが生みだす緊張感がストレスになり、やがてはバーンアウト。燃え尽きて疲れてしまったこころが、5月病などの発症につながることもあります。

「焦らずゆっくりと」を意識する

人間関係がスムーズで、なおかつストレス管理が上手そうな人たちを観察していると感じるのが、無理のない自分らしさを表現できているところです。「無理のない」というのは決してがんばらないという意味ではなく、「がんばりすぎない」ということ。人間関係は時間をかけて作られていくものです。最初から無理してがんばってしまいそうになる気持ちを抑えて、これが「はじまり」であることを意識していくことで、自分の立ち位置が作られていくプロセスを長い目で見守ることができるようです。

そして、「はじまり」を意識することで、ゆっくりと自分を表現していくこともできます。自分という人間の引き出しを小出しにすることは、人間関係が育っていくプロセスをじっくりと愉しむことにもつながります。最初から期待に答えようと焦ってしまうよりも、こころにゆとりを持つ自分に優しい方法です。

新しい人間関係に期待感や不安感を持っているのは、皆同じです。この時期に大切なことは、自分のこころの負担を減らして、できるだけゆとりを持つこと。長く続いていく可能性が高い人間関係であればなおさら、周りの様子を見ながら「焦らずゆっくりと」を意識することで、結果的には質の高い安定感のある人間関係を作っていけそうです。

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