1日30分の音楽効果
好きな音楽を聞いて、癒される思いをした人は少なくないはず。以前Cafeglobeの記事「オンからオフまで場面で選ぶ音楽ジャンル別の心理効果」でも紹介されていましいたが、音楽による心理効果はすでに科学的にも証明されています。
数ある音楽のなかでも、幸福感を与える効果に抜きんでるのがモーツァルトです。
モーツァルト効果のおかげで、ニューロンのストレス耐性が高まることが観察されている。(中略)モーツァルトは、脳のホルモンを活性化し、ニューロンの成長を促す影響をもつ。言い換えれば、モーツァルトの音楽には、傷んだ神経を修復する効果があるのだ。
(Le Pointより翻訳引用)
とくに、モーツァルトの「Sonate Köchel 448(2台のピアノのためのソナタ)」は、未熟児の脳神経の発達を促すため、実際に病院で用いられ、効果をあらわしているそうです。
また音楽には、免疫を高める効果もあります。同教授の挙げるアメリカの研究では、同じ条件下においては、楽しい気分でいる人の方が、風邪がうつりにくいという結果が出ています。
確かに子どもなど、学校で嫌なことがあったり、失敗したりすると、必ずと言っていいほどそのあと体調を崩します。気持ちが下がると免疫も下がるという点、深く納得できました。
そのほかにも、血圧や血糖値を下げる効果があるという音楽。同教授は、1日30分の鑑賞をすすめています。
共存できない思考と感動
もうひとつは、どうしても悲しい思いに囚われてしまうとき試したいものです。ずばり、それは「考える」こと。
脳の感情を司るゾーンを取り巻くのが、思考を司るゾーン、皮質です。
この2つのゾーンは同時に働くことができないという驚くべき研究結果が出ました。
(Le Point より翻訳引用)
実験によれば、嘆き悲しむ人の映像を見ると、人はみな悲しい気分になります。ところが、同じ映像を前にしても、人物の数を数えるとか、暗算問題などの課題を同時に与えられていると、その限りではありません。
つまり、思考している間は感情に流されることはなく、逆に、感動に浸っているときは、思考はストップしているのです。
確かに、感動は、言葉にしようとすればするりと逃げていくもの。何が素晴らしいのかいちいち分析したりせず、感動したときはその思いに浸りきるのが1番なのでしょう。
また、悲しい思いにおぼれそうになったときは、「考える」ことで、落ちていく気持ちをストップできるわけです。ルジョワイユー教授は、悲しいときは、悲しみの要因がなんであるのか考えることから始めようとすすめています。
音楽と思考。うまく活用して、健康な心と身体の維持に役立てたいものです。
[Le Point]
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