正直に言えば「無理に思い出さなくても大丈夫だから」そうお声かけしたくなる人々もいます。でも直接被災しなかった立場としては、やはり「その分、私たちが覚えておくから」と伝えずにはいられない。そんな「忘れてはいけない日3.11」がまた今年もやってきます。
広域でみる復興への軌跡
2011年3月11日の東日本大震災から間もなく5年目を迎えようとしています。震災前と比べ、被災地はどのように変化してきたのでしょうか。その様子は岩手県宮古市から宮城県石巻市、宮城県亘理郡亘理町から福島県双葉郡広野町にかけての沿岸の航空写真から確認できます。
2009年に見える色とりどりの町並みが、2011年には消えてしまいました。こうして広域をとらえることで、その被害の大きさと復興への軌跡がより鮮明に見て取れます。
震災前から経年変化のようす
さらに、航空写真からはとらえにくい町中の様子は、ストリートビューで経年変化を追うこちらの動画から確認ができます。
提供: Google
被災前の景色から2011年に移る瞬間は胸が痛みますが、2015年では道が整備され、そこから希望が感じ取れます。
なかでも岩手県宮古市田老地区の写真からは2014年3月に震災遺構として保存が決定した「たろう観光ホテル」が見えます。閑散としていた周辺も2015年には工場が建ち並び、活気が伝わるようです。これらの記録が防災対策の抑止力になるだけでなく、その後の軌跡が未来への希望にもつながります。
忘れないことが防災になる
東京でも揺れに吐き気をおぼえ、電車がとまり、子どもと何駅も歩いて帰った思い出さえも、年追うごとに薄れているのではないかと不安に駆られます。そこで震災の記憶の風化を防ぐためにと行われるのが、あの日を想いながら徒歩帰宅をする「3.11WALK」です。内閣府、復興庁、東京都、岩手県、宮城県、福島県、工学院大学の後援と防衛省・自衛隊の協力で行われるこのイベント。有楽町駅前広場にて3月11日12:00より開催されます。
「忘れないことこそ防災につながる」そんな想いを胸に、一歩一歩未来へつなげていきたいと思います。