先月、ある女性誌から取材をいただく機会がありました。その企画の内容は『愛しい男に溺れたい。』というもの。
「本命の、ひとりの男性と深く愛しあいたい」というのは多くの女性たちの願いです。しかし、それがなかなか適わないからこそ、こうした情報が求められているということになります。
そこで今回は、「男性と親密になれない」という人の心理的な原因についてお話をしていきたいと思います。
●相手と親密になれない心理的な原因
人と親密になるとき、最も重要なのは会話です。しかし、会話の中で、相手の機嫌をとろうとしたり、愛想笑いをしたとしても、もちろん親密になることはできません。
大切なのは、会話をするときに「自分が根底で相手にどんな思い込みや前提を持っているか?」を見直すことなんですね。これは、人は会話をするのと同時に、その深層心理の部分で、相手への受容を判断しているためです。
あるクライアントの女性は、お付き合いをしている男性ともっと仲良くなりたいと思いながらも、実際には「自分が嫌われないように、必要以上に怯えている」「相手をモンスターのように思い込んで、避けている」「最初から『どうせあなたも』と決めつけている」ということが起きていたんですね。
こうした思い込みをもとに会話をしていたことで、相手のことを無意識に自分から距離をつくってしまっていたのです。
●本当の相手を見ている?
人間関係は、必ず他者と自分の1対1で成り立つのですが、実際に多くの場合、過去の経験から「自分なりの見方」しかされていません。
この女性の場合、「子ども時代に、自分が発言したことを母親から否定された」「何を言っても聞いてもらえなかった」という経験があったために、大人になってからも、常に「どうせ私は否定される」「他人は私を否定する」「何を言っても助けてくれない」という無力感を持ったまま、他人と関わっていました。これは本人も自覚していないことです。
その前提が自分にあったと自覚したことで、「優しく接してくれた人もいたにもかかわらず、その人達のことも自分から敬遠していた」ということにも気づくことができました。
「じつは世界は嫌な人たちばかりではなかった」「愛してくれる人もいた」とわかったことで、その瞬間、いま自分を愛してくれている目の前の彼の愛情も受けいれることができたんですね。
彼がいてくれることや、話を聞いてくれることに心から感謝し、接することができるようになった彼女の変化を彼も感じ、お互いがよりも深く愛しあえるようになったのです。
●見方を変えれば、人との関係も変わる
このように、自分から無意識のうちに人を遠ざけてしまうことが、人と親密になれない原因だったんですね。過去には嫌な経験や自分を苦しめた人がいることも事実でしょう。けれど、「世界はそういう人たちだけでできているのではない」「もう子ども時代とは違う」「目の前の相手は過去の相手とは違う」と思えたとき、その愛情を素直に受け取れるようになります。
あなたは相手のどこを見ているでしょうか? 愛情と信頼を持って相手と接することで「いままでなんだったんだろう?」というくらい、愛にあふれた関係を手にすることができるでしょう。
image via Shutterstock
コメント
コメントを書く