そんななか、植物の芽吹く姿を息をひそめてながめていた幼い頃を思い出す、すてきな個展が開催されます。
種から直接うまれる不思議な花
それは種や球根が発芽したところをアートで魅せる「飴色団栗研究室」の個展『春の森、竜の寝息』です。
飴色団栗研究室は、渡辺進さんと渡辺萌由さん夫婦によるユニット。「第6回東京アンデパンダン展」では人気投票「入札アンデパンダン」で得票数1位を獲得しました。
渡辺さんは「世界中の知られていない森や遺跡をめぐってはおもしろいものを持ち帰り、標本箱造りや試験管で植物を培養するなど、当時の姿に復元をする活動を行っている」と言います。
個展で春を見つける
たとえば葉もなく、根も出さず、種から直接花が咲く「種花」もそのひとつ。咲いてみないとどんな花なのかわからないので、「花の遺跡」と呼んでいる場所では占いに使われていたとも言われています。
なかにはうつくしい水晶のようなものもあり、よく見ると水草がついています。この鉱物のようなものは「母岩草」という水草の浮き部分なのだとか。
ほかにもかわいらしい「竜の雛」など、あえて「造形」と呼ばず「未知の収集」と名づけられた、世界のどこかに存在するかもしれない植物やものがたくさんあつまり、まるで不思議の世界に迷い込んだよう。
そんな童心に返ることのできる個展、一足早く春を見つけに行きたくなりました。
日付:2016年3月3日(木)~3月13日(日)※毎週月曜休廊
時間:11:00~19:00 (最終日17:00まで)
〒135-0042 東京都江東区木場3-18-17 1F
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