以前、「がんばってもがんばっても、女性扱いされず、婚活や出会いもうまくいかない。もうどうしたらいいか分からない」という悩みをお持ちのクライアント様がいらっしゃったときのことです。
一般的に、人は悩みの中にいるとき、自分がこれまで築いてきた価値観や思い込みという枠組み(制限)の中で解決策を探しているため、その悩みを抱えることになった本当の原因になかなか気づくことがありません。
そして、本当の原因ではないところの努力をしてしまうため、「どんなにがんばっても努力が実らない」「がんばってもうまくいかなくて疲れてしまった」ということがひんぱんに起きるのです。
今回は、このクライアント様のように、がんばりすぎて疲れてしまった時、どうすればその悩みの原因を見つけ、解決していけるのかについてお伝えしたいと思います。
●まず必要なことは「悩みを客観視すること」
まず必要なことは「自分自身がこうだと思い込んでいること」から一歩引いて問題を見ることです。そのクライアント様とのセッションでも、最初はその方が陥っている「誤った思い込み」を客観的に見ることから始めました。
最初、そのクライアント様は、「女性扱いされないのは年齢が高くて、容姿に自信がないからだ」と思っていました。
この思い込みこそが「容姿をがんばって磨いても受けいれてもらえない」という状態を作り出してしまう原因なのですが、まずはそこから少し離れ、次の質問をクライアント様にしました。
「あなたが男性だとして、男性目線で自分という女性のことを見てください。あなたがもし男性だったら、自分のような生き方をしている女性のことをどう思いますか?」
その1つの質問で、クライアント様は気づいたようで、「ああっ! なんだか1人でがんばっていて、男っぽくて、しっかりしすぎていて、いつも戦っているし、態度もきつくて......。なんだか女性っていう感じではないですね......」と、声を震わせたのです。
●相手にわかるように表現できていなかった
彼女は、自分が男性から女性扱いされないのは容姿の問題ではなく、「女性としての内面の穏やかさがない」「自分で自分の女性らしさをまったく表現していない」ということが原因だと気づいたのです。
このように、私たちは誤解によって、自分自身で願っている方向とは逆の状況を作り出してしまうことがあるんですね。
・女性扱いされない、恋愛がうまくいかないと言いながら、実は自分が女性らしさを表現していない
・他者に認めてもらえない、評価されないと言いながら、自分自身が自分の素晴らしさを表現し切れていない
・相手の男性に想いが伝わらないと嘆いているけれど、感情的になって相手に不満をぶつけている、など
これは、自分自身が問題と同化し、感情と一体化してしまっているために、別の見方ができず、その結果、大変な努力しているにもかかわらず、悩みが長引いてしまうのです。
●足りていない表現を補えば、現実は変わる
ですので、こうしたときは、自分の感じている欠点を責めて自分を変えようと努力するのではなく、足りていない部分をほんの少し表現してあげるように心がけてみてください。
・女性扱いされていないのであれば、自分が自分の女性らしさを表現していく
・評価されないと言うのであれば、自分がきちんと自分の素晴らしい点を評価し、他者に分かるように表現していく
・尊重されないと嘆いているのであれば、自分がきちんと尊重されない態度に対してノーを伝え、堂々と自分の意志を持っていく
「きちんと自分を表現できているかどうか」を見直しながら、足りていないところを補うように自己表現することで、あっという間に問題は解決していきます。
このクライアント様も、自分の内面を穏やかにするよう心がけながら優しく人に接するようにしたところ、見違えるように男性からアプローチされるようになりました。
自分を否定することから解決は生まれません。それよりも、少し角度を変えてあなたをしっかり表現してあげながら、あなたが望むような現実を自ら作り上げていってくださいね。
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