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ある女性が始めた、うつ病がテーマのラジオ番組

2016/01/12 23:00 投稿

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2015年、新たにスタートアップしたビジネスが、優れた社会貢献をしているとしてドイツのメルケル首相に表彰されました。

うつと真剣に向き合うラジオ番組

受賞したのは、うつ病をテーマとしたラジオ番組Radio Sonnengrau」。番組のナビゲーターであるターニャ・サルコウスキさんは、現在でもうつ病を抱えています。前職場で2年間のパワハラを上司から受け、半年間ベッドから起きられなくなった彼女。2012年にはストレスから流産、その一週間後に婚約者との別れを経験、自殺も考えたといいます。

その恐怖から逃れるようにブログを開設、自身の経験や状況などを綴るうちに、それがラジオ局の目にとまり、声がかかるように。それ以来、うつ病のリスナーだけでなく、すべての人達の心によりそう言葉をかけてきました。

うつ病といえば、ドイツでは5人に1人は人生で一回はかかるといわれ、また毎年490万人が治療にあたるなど、深刻な社会問題として取り上げられています。周囲の目や偏見の声などが怖くて、気軽に相談できない人や、どこに何を相談したらよいのかがわかりにくいという声。様々なリクエストに応え、神経外科などの専門家や法律家が編集・校正に携わっていることで、必要とあればホットラインがつながるようになっているのが人気の秘密です。

とにかく話すことが特効薬

誰でもいつでも気軽に聴けるようにと、インターネット・ストリーミング放送も行っている当番組。ジメジメとした雰囲気をできるだけ排除し、すてきな音楽はじめ、体験談と共にさまざまな生の声をまじえて進行していきます。懸賞などもあり、本やCD、DVDなどのプレゼント企画なども用意。さらにうつ病やボーダーライン・摂食障害などを経験した歌手や著名人などをゲストに迎える特番も。

うつを「タブー」としてとらえるのでなく、あえて自己開示することで、皆で取り組む「社会問題」として取りあつかっているのです。

「(中略)うつ病になった人は皆、誰にも理解してもらえないのではと疑問に思ったり、もう二度と元気にならないのではないか、これからどうなってしまうのか心の中は不安でいっぱいなんだ。もし時計の針を過去に戻すことができて、駅のプラットホームにポツンと立つ自分の孤独な姿を目の前にしたとき、すぐに抱きしめてあげたいと思う。何も言わなくていい、何も証明する必要もない、大声を出すことも必要ない。君は一人ではないのだと、絶対にいつか良くなると希望を持ってほしいから。」

(『Radio Sonnengrau』より、リスナーのコメントから引用翻訳)

常にターニャさんの大きな笑い声が響き、ユーモアたっぷりの番組。「うつ病あるある」的ジョークなども時に飛び出すそう。

無理して元気を出さなくてもいい、ただ聴いているだけでちょっと心が軽くなる、そんな勇気ある番組が日本にもあってもいいのでは、と思いました。

Radio Sonnengrau,Stiftung Deutsche Depressionshilfe

image via Shutterstock

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