そんなとき恋しくなるのは、宮崎県諸塚村で出会った薪ストーブ。やさしいあたたかさが忘れられません。さらに、焚き火やストーブの中で燃える炎を見ていると、心が落ち着いて感じられるのには理由があります。
それは、炎の強弱が刻むリズムで「1/fゆらぎ」が理由です。1/fゆらぎは、一定ではなく、かといってまったく不規則ではない、なんとなく調和のとれた状態のゆらぎのこと。これは、人間の鼓動や呼吸もこの法則に従っているので、1/fゆらぎを持つ炎の強弱を見ると自然と落ち着いてくるのです。
あたたかいうえに、心まで落ち着く薪ストーブ。ここまで知ると、やっぱり欲しくなります。でも、薪ストーブは、薪の調達に苦労しそうだし、煙も気になるし......と思っていたら、木材を乾燥させ砕いて、圧縮させた木質ペレットを使う「ペレットストーブ」なるものを発見しました!
ペレットストーブなら、煙も出ず、薪を割る手間もなくて都会でも設置が現実的です。1人暮らしの部屋なら約20万円、広めの部屋でも25~35万円ほどから設置ができ、使用する木質ペレットは、部屋の広さや使用時間によって変わりますが、大体1~2日で10kgくらいの使用が目安です。お値段は、10kgあたり約400~600円で手に入ります。
木質ペレットの材料となる木材は、国産の場合、間伐材を使用しているので、森林を傷つけることはありません。燃やして出る二酸化炭素も、もともとは光合成の際に木が吸ったものなので、きちんと間伐をして森が育てば、また森の木がその二酸化酸素を吸って成長する、という好循環を生み出します。
光熱費として考えるとちょっと割高な感もありますが、一度経験してしまうとそれだけでは諦めきれない魅力があります。地球環境にやさしく、あたたかくて心も落ち着く木を使ったストーブがある我が家......。しあわせな未来像を描きながら、仕事に励もうと思います。
◎WPPC木質ペレット推進協議会ホームページ
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◎田舎がないなら、作ればいいんです。私たちを待つもうひとつの"故郷"に出逢う旅
photo by Thinkstock/Getty Images
text by 渡部えみ
グリーンライター。書籍編集、転職・派遣サイト等のコンテンツ企画・制作、心とカラダにいいことを発信するモバイルサイトのプロデュースなどを経験。現在、オーガニックコットンブランドの広報とともに、選ぶのが楽しくなるグリーンでエシカルなモノ・コトを文字で広める「グリーンライター」として活動中。「どうせ選ぶなら、自然にも社会にも、もちろん自分にもいいものを」がモットー。最近念願の手織りを始め、織っている間の"無"の感覚に癒される毎日。