オープンすぎる診察室
置いてある設備はほぼかわりなく、部屋はゆったり、広々としています。その片隅に、カーテンのついたごくごく小さな脱衣スペース。そこで服と下着を脱ぐようにいわれるのですが、問題はここから。
日本ならば診察台まで恥ずかしくないように、タオルなどを貸してくれるところもありますよね? それがドイツにはありません。下半身裸のなんとも間抜けな姿で広い部屋の中をすたすた歩き、診察台によじ登らねばならないのです。
さらに問題はその診察台(日本でもお馴染の、両足を大きく広げて座る恥ずかしい椅子)、日本だと、ドクターと自分の間にはカーテンがあって、ダイレクトには見えないような仕組みになっているのが普通。(それの有り無しも議論されたりしていますが......)しかしここでは、その当たり前にあるはずのカーテンもありません!
どうせなら、しっかり見ておこう
つまり、ドクターがどんな器具を使ってどんな内診をしているのか、患者側からもばっちり見えてしまう状態。これには最初、本当に驚きました。患者にわかりやすいオープンな医療を目指しているのかな? と前向きな想像もしてみたけれど、いやいや、ただ単に心遣いの問題でしょ、とも思ったり。でも、脱衣スペースにはちゃんとカーテンついてるし。あぁ、混乱。
けれど、そんな違和感にも、3回も通えば慣れてしまうから人って不思議です。もう日本のタオルと仕切りのカーテン文化に思いを馳せることはなくなりました。潔く脱衣所を後にし、颯爽と診察台へ、診察もどうせ見えるならしっかり見ておこうと、まじまじその光景を眺めることにしています。
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