後片付けをスムースにするには、まず調理中に使った器具はどんどん洗って、作り終わるときには洗いものができるだけないようにすることでしょうか。そして、食器を洗う手間は、食べ方でずいぶん変わってきます。お坊さんは、食べ終わるとお茶碗にお湯を注ぎ、たくあんを使ってごはんをこそぐようにして食事を終えます。また、以前宿泊したエコなプチホテルでは、洋食のコースとともに「おそうじパン」と呼ばれる柔らかいパンが出てきました。ソースなどをそのパンでぬぐって、お皿をきれいな状態にするのです。
お皿をきれいな状態に、というのはいつでもなんとなく頭の片隅にあって、「おそうじパン」がなくとも最後にソースを拭えるようにパンを残しておいたり、パンがない場合も付け合わせのポテトなどの野菜を使ってお皿のソースを拭ったりします。そんな意識で食事をしていると、食後の食器もそれほど汚れていないので、ほとんどの場合洗剤は必要なく、食器を洗うのは苦になりません。それに、環境へのインパクトを考えても、食べ残しをそのまま流すことは避けたいもの。鍋やフライパンに残ってしまった油やソースなどは、古布で拭き取ってゴミ箱へ。こうすることで揚げ物をしたあとの調理器具を洗うのも、ごく少量の洗剤で済みます。
ヨガでは精神的な修練の最初のステップとしてアヒムサ(非暴力)の実践をおすすめしています。ここでいう暴力は、殴る蹴るというものだけではなく、言葉の暴力なども含みます。非暴力であるというのは分かりにくくても、他者に対して優しくあること、と言い換えれば分かりやすいでしょうか。この修練は特別なことをしなくても、日々実践できます。食事の片付けで考えれば、片付けをする人(自分かもしれません)や地球に負荷の少ない方法を選ぶこと。これもアヒムサ。小さなことかもしれません。でも、毎日のことだからこそ、その影響は大きいと思うのです。
今日食べたもの:りんごと柿のコトコト煮
寒い季節の朝ごはんやおやつにぴったりのあたたかいメニューです。りんごや柿は、生で食べるのも好きですが、私の体質だと加熱をしたほうが消化がしやすく体に負担も少ないようで、加熱したほうがおいしく感じることのほうが多いのです。ちなみに柿は切って、そのままオーブンで焼いてもおいしいです。
りんごと柿を適当なサイズに切ります。鍋に(私は柔らかく火が入る土鍋を使います)入れ、水を少々。お好みでレーズンを入れてもいいですね。火にかけてコトコト、コトコト。りんごと柿が柔らかくなったら、あつあつのまま召し上がれ。
このままでも十分おいしいですが、葛粉を使ってとろみをつけたり、シナモンやカルダモンを加えたり、ギーやバターを加えたりするのもおすすめです。