左脳の活性化を促す音読、右脳を鍛える黙読
読書をしているとき、私たちはただ静かに座ってページをめくっているだけと思いがち。しかし脳の中では、非常に大きな動きがあるようです。サイト「学習方法と入試対策のコツ」によると、人が音読・黙読する際にはそれぞれ脳は違った働きをしているため、じつは両方ともおすすめなのだとか。例えば音読をする時、視覚・聴覚・体性感覚(のどやあご、顔の筋肉)の働きが活発になるのだそう。前頭葉の働きを活発にし、「やる気」を生み出してくれる点は、特筆すべきところです。その理由は前頭葉が活発になると脳内に幸せホルモンと呼ばれる神経伝達物質セロトニンが分泌するためで、これにより抑うつ的気分が解消するのに役立つのだそうです。
一方黙読は、私たちの想像力をつかさどる右脳を鍛えてくれるのだとか。ストーリーを頭の中で膨らませ、先の展開をわくわくしながら活字を目で追うという地味な作業も、右脳にとってはとても良いことだったのです。最近では大人のための塗り絵も人気ですが、これも右脳を活性化させるのにとぴったり。素敵なイラストを目にしたとき、あるいは素晴らしい写真集やおいしそうな料理本、繊細な言葉で描かれた絵本などで感動する時も、私たちの想像力は掻き立てられると同時に右脳も働いているのです。
読書=「禅リーディング」の役割も
その他、読書のもたらす効果といえば、生活に潤いをもたらすことが挙げられます。多くの情報をインプットできるだけでなく、新鮮な気づきを与え、時に考えさせられるというプロセスを経て、私たちの心は豊かになります。静かにただ座っているだけのようですが、それだけで心を落ち着かせてくれる効果も十分。読書をすることは、瞑想(メディテーション)のような働きをする、とも言われます。ドイツでは誕生日・クリスマスに限らず、人に本を贈ったり贈られたりする機会がとても多いのです。無難だから、といってしまえばそうかもしれませんが、おすすめの本をプレゼントされるのは、いつだって嬉しいものです。
現在では携帯で、さまざまなコンテンツが読めるようになりました。しかしこんな時にもあえて書籍を手にとって、本のぬくもりを感じたいもの。リラックス方法としての読書、この秋冬に意識的に取り入れてみるのもよさそうです。