式年遷宮の儀式をネットで中継
上賀茂神社の正式名称は、賀茂別雷神社(かもわけいかづちじんじゃ)。その名のとおり、雷を別けるほどの力を持つ「賀茂別雷大神」が、神山に降り立ったことを起源とする神社です。社殿の基が作られたのは678年、天武天皇の御代のこと。以来脈々と、神殿を新しく作り替え、御神霊を移す式年遷宮の儀式が受け継がれてきました。
21年ぶりに行われる今回の式年遷宮。興味深いのは、御神霊を仮殿から新殿に遷座する「正遷宮」の儀式が、ウェブの特設サイトで生中継されることです。ゲストとして宮本亜門さん、とよた真帆さんらを招き、一般の人には難しい儀式の意味などもわかりやすく解説してくれるとのこと。貴重な「式年遷宮」の儀式を自宅に居ながらにして経験できるなんて、贅沢すぎる試みです。
「神山湧水」のコーヒーでおもてなし
上賀茂神社が位置する神山は、名水「神山湧水」が湧き出ることでも有名。都の命の源として、人々の暮らしを育んできました。今回の生中継は、日本の水を探究している「AGF」が、上賀茂神社との共同プロジェクトとして企画したもの。10月17日(土)にはプロジェクトの締めくくりとして、小川にかかる舞殿での「生け花と能の会」が予定されています。楽しみなのは、「神山湧水」で淹れた世界で唯一のコーヒーが無料で提供されるワークショップ。遷宮を終え、生まれ変わった上賀茂神社で飲むコーヒーの味は、忘れられないものになりそうです。
湧き水が流れる小川の畔を歩いて、提灯を本殿に献灯し、貴重なコーヒーを味わってから、 「舞殿」で舞台を鑑賞する――。生中継といい、「水」でつながるプログラムの構成といい、貴重な儀式の素晴らしさを共有しようという想いがあふれる今回のプロジェクト。ぜひ参加して、日本人である誇りを感じてみたいと思っています。
上賀茂神社 式年遷宮 「正遷宮」生中継
・日時:10月15日(木)19:30~22:30
・生中継:AGF Lounge特設ページ
生け花と能の会「神山湧水のしらべ」
・日時:10月17日(土) 17:30~20:30
・場所:上賀茂神社(京都市北区上賀茂本山 339)
・内容
(1)「提灯献灯」
(2) ワークショップ「はじまりの珈琲」、「あいだの珈琲」
(3) 舞台「生け花と能の会」
※「神山湧水珈琲」は18日(日)も提供