というのも、子どもたちが映像に夢中になっている合間に、あれやこれやの家事をこなしたり、読みかけの本のページを開いたりと、束の間の「自分の時間」を差し込むため、いっしょになってDVDを見る、ということはほとんどありません。
でもたまに、画面に釘付けになっている子どもたちの方から、「えっっっ! 」とか「ひょえー」とか、そんなどよめきの声が湧き上がったりすると、さすがに気になって「どれどれ」と様子を見に行きます。すると「お! お母さんもいっしょに見る? いいよいいよ、ここどーぞ」と、席を譲ってくれたりもします。ほんとはいっしょに見たいんだろうな。でもごめん、お母さんはあの物語の続きを読みたいのだ。
テレビがない我が家ではありますが、こうしてパソコンで映像が見れるので、これといって不自由を感じたことはありません。しかし、DVD鑑賞にはルールがあります。「雨の日以外、外が明るいうちは見ないこと」。
当初、子どもたちから「どうして昼間に見ちゃいけないの? 」と聞かれたので、逆にこっちが「どうしてだと思う? 」と聞き返したところ「明るいうちは外で遊べるから」という答えが帰ってきました。まったくその通り! よくわかってるなぁ。
それに加えて「暇だなぁ」と感じる状況から、自分の力でオリジナルの「遊び」を考えて欲しいからです。いや「考えて欲しい」というよりは、私自身が子どもたちが考えるオリジナルな遊びに「興味がある」といったほうがいいかもしれません。
例えば、瓶の王冠で作ったコマも「暇」からうまれたオリジナルな遊びの道具です。ハンマーで王冠をぺったんこに叩き、真ん中に目打ちで穴を開け、楊枝を刺してボンドで固定する。そういったものを、黙々と、とつぜん作り始めます。わたしが「こんなの作ってみれば? 」と提案することはありません。枝で作ったパチンコも、なかなかの出来です。
それでもたまに「ああ、暇過ぎる。何したらいいのかわからないから、DVD見ていい? 」と聞いてくることもあります。
でも助け舟は出さずに「そうだねー暇だねぇ。でもダメだよ」と軽く流します。すると、「そーだよねー。晴れてるもんねぇ」とか言いながら、いつの間にかふらふらっと外に出て、いろいろな種類のとんぼを捕まえるのに夢中になってたりします。
「与えられた完成したもの」と「自分で探して作り出すもの」。遊びの優先順位というよりは、バランスが大切だと考えています。