それは「女子会川柳」。この本は、オフィスで働く女性にはおなじみの情報誌「シティリビング」で公募された「シティOL川柳大賞」の受賞作品をまとめたもの。
昨今の川柳といえば「サラリーマン川柳」のように、日々のエピソードや人間関係を悲哀やユーモアたっぷりに表わしたものを思い浮かべますが、こちらはそのOLバージョン。お勤め女性たちの本音が五・七・五のリズムで軽快に綴られていてます。
たとえば
「居るのなら とってください その電話」
「ストレスは 仕事じゃないの あなたなの」
のように、同時代を生きる女性たちにとっては、「そうそう! あるある!」と共感できる句がずらり。ストレスをケタケタと笑い飛ばせる感じは、まるで女友達と話しているような気分になります。
さらに
「SNS 上司と繋がり SOS」
「男より なでしこ優秀 オフィスでも」
のように時代を反映した句もあって、現代女性の生きる世界や価値観が伝わってきます。
ところで、こんな川柳を読んでいると、自分でも作ってみたくなりますよね。思い立ったが吉日、川柳は道具要らずに、いつでも始めることができます。
俳句と違って季語や切れ字を入れるなどのルールもなく、自分の思いを自由に表現してよい川柳。ツイッターよりもさらに短い17文字の縛りがゆえに、言葉選びに頭を使いますが、パシッと句が決まった時の爽快感は格別です。
日頃の観察眼も鍛えられるし、言葉のセンスアップにもつながりそうな川柳。今年は、女友達と赤裸裸トークをする代わりに、川柳に挑戦してみようと計画中です。
最後に、「女子会川柳」の中から私のお気に入りをひとつ。
「赤い糸 よく見えないから 縄にして」
[女子会川柳]
編者:シティリビング編集部+ポプラ社編集部
価格:1,000円(税込)
出版社:ポプラ社
photo by Thinkstock/Getty Images
(さとう葉)