テクノロジーが可能にした発想
渦中の日本人男性はタカハシヤスシさん。自らを「GPSアーティスト」と名乗ります。大切な彼女に今まで誰も考え付かなかった方法でプロポーズをしようと決意した彼は仕事を辞め、6か月もの長期間にわたり、GPSをつけて北海道から九州まで日本横断を果たします。最終的に彼の歩いた軌跡は、とてつもない大きなメッセージとなって表れます。上空から見えた、世界で一番ビッグなプロポーズの言葉は「結婚してください(Marry me)」。旅を終えて彼女と再会した彼は口頭にてプロポーズしたとのことですが、このプロポーズは文字通り、「世界で一番大きなプロポーズ」として世界中の女性たちに感動を与えたのでした。
7,000キロメートルの愛の証
「ウォーク・メンタリー(ウォーク+ドキュメンタリー)」とは、もともとアムステルダムにある芸術家たちによりアイディアが出されたもの。あらゆるところに徒歩で出かけ、その際にGPSをつけておきます。すると辿った「足跡」が線となり現れるというアイディアは一見すると手軽に誰でもはじめられそうな気がします。しかしとてもロマンチックなこの方法、じつは見た目以上に相当ハードなもの。ヤスシさんは日本横断の際に7,000キロ以上は歩いたそうで、その旅の記録を短い7分の映像で残しています。北海道からスタートし、ときには富士山にも立ち寄ったり。さらに様々な予想だにしなかったアクシデントに見舞われたり、またあるときには美しい夕日が沈む美しい瞬間を体験したり。彼のレンズを通して、まるで自分自身も旅に出ているような気分になります。それでいて長い旅路を一人きりで過ごすうち、ふと二人だったらもっと素敵だったのに ... ...。なんていう彼の想いをくみとれる瞬間もあったりと、何ともしんみりしてしまいます。
上空から言葉がはっきりと見えるようにルートを細かく練ることはもちろん、事前準備も怠らなかったという彼。それが功を奏してか、プロポーズを受けてくれた彼女。二人にとって、生涯忘れることのできない思い出として残ることでしょう。
[mail online,Yassan's GPS Drawing Project]
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