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「何から手をつけたらいいのかわからない」というときの頭の整理のしかた

2015/08/04 23:00 投稿

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ライフハッカー[日本版]より転載:

「やるべきことが多すぎて、なにから手をつけたらいいのかわからない」

「選択肢を絞り込めず、なにを残してなにを捨てればいいのか判断できない」

「考えすぎてしまって、なかなか行動に移せない」

「一生懸命やっているのに、結果につながらない」

「アイデアが煮詰まってしまって、出てこない」

どれもありがちな悩みですが、これらには「頭のなかがごちゃごちゃ」という共通点があると指摘しているのは、『問題解決のためのセパレート思考』(鈴木進介著、フォレスト出版)の著者。

目の前の問題が複雑化しているため、ものごとや問題の本質を見抜けず、優先順位や正しい決断、行動ができなくなってしまうというわけです。

ではどうすれば、思考を正しい決断や行動へとつなげていけるのでしょうか? そのためにはまず、問題と頭のなかをシンプルに整理する必要があると著者は主張しています。そして、その際に絶大な効果を発揮するメソッドが、本書のテーマである「セパレート思考」。

これは、ひとことでいえば「問題を仕分けする思考法」。情報や環境、時間、考え方、人など、さまざまな問題が複雑に混ざった問題を仕分けすることにより、問題の本質が見えてきて、正しい行動と決断ができるようになるというわけです。具体的な流れは次の通り。

混乱した頭のなか

選択肢&情報の「仕分け」(セパレート思考)

物事の本質が見える

正しい決断と行動

問題解決

(「はじめに――問題をシンプルにして、正しい決断と行動につなげるメソッド」より)

この基本をベースとしたうえで、第1章「『セパレート思考』とは何か? 概論篇」から、「決断スピードが上がる『3ステップ』」を見てみたいと思います。

選択肢を絞り込めない理由

成果が出ない選択肢は、消去法で引き算して捨てる。それが大切だと著者は主張しています。とはいえ現実的には、なかなか「思考のメタボ状態」から脱出できないもの。なぜなら頭のなかがごちゃごちゃしているときは、なにから手をつけたらいいのかがわからなくなってしまうものだから。

「頭を整理するためには、なにを引き算すればいいのだろうか?」

心のなかでこうつぶやきながら、思考停止状態に陥ってしまう......。それはよくあることですし、実際のところ著者も、これまでに何度となく経験してきたのだとか。

とくに事業戦略を練る際などには、「戦略はシンプルに絞り込んで集中した方がいい」といわれるそうです。ただし、そうと頭でわかってはいても、なかなかできないもの。でも、それは一足跳びに絞り込もうとしてしまうからなのだといいます。(38ページより)

絞り込むまでのメカニズム

では、選択肢を絞り込むためにはなにが必要なのでしょうか? この点については、まず絞り込むまでのメカニズムを理解しておかなければならないと著者はいいます。たとえば、お昼前でおなかが空いているときにランチを思い浮かべたところ、頭のなかに餃子とハンバーグとそばが浮かんだとします。どれを選ぼうかというとき、どのような思考手順で店を絞り込むでしょうか?

「午後からお客様と会うから、餃子は口臭が気になるな。では、口臭のリスクがないものにしよう」

「きょうは二日酔いだから、あっさりしたものを食べたい」

などなど、そのときの状況に応じて無意識にいずれか一方を引き算していくことになるでしょう。

さらにいえば、引き算以前に「口臭のリスクがあるもの」と「ないもの」、「くどくて量が多いもの」と「あっさりして少量のもの」など、普段は無意識のうちに頭のなかで仕分けをしているわけです。逆にいえば、頭のなかがごちゃごちゃしてきたとき、仕分けすることなく決断することは不可能。

そして、それは仕事においても同じ。出勤後すぐにToDoリストを作成する人も少なくないでしょうが、その際には「重要なもの」と「重要ではないもの」、あるいは「きょうすべきこと」と「明日以降でよいもの」、「自分の作業」と「他人からの依頼分」などのように仕分けをするのではないでしょうか?

このような仕分けをすることなく、いきなり優先順位をつけることは困難。言い換えれば、仕分けをするだけで優先順位づけや行動の第一歩目が出やすくなるというわけです。(39ページより)

「第二の脳」をつくって仕分ける

ただし頭のなかの仕分けは、目に見えるようなかたちで行うことが必要だといいます。なぜなら頭のなかを見ることはできないため、仕分け結果を脳に記述しようにも、浮かんでは消えてしまうから。

そこで重要な意味を持ってくるのは、「頭のなかの仕分けも、目に見える状態にする」こと(可視化)。頭のなかの可視化は、紙に書き出すことによって簡単にできるものだといいます。紙に書き出すことで、冷静かつ「客観的に頭のなかが見えるようになるというわけです。そうしてみれば結果的に、「どれを引き算すればよいか」が一目瞭然。いわば、書き出した紙は「第二の脳」ともいえるということです。(42ページより)

思考の仕分けに有効な「A4サイズのメモ用紙」

なお、思考の仕分けに必要なメモ用紙は、目的に応じて2種を使い分けるといいそうです。まず日常業務の仕分けには、A4コピー用紙の裏紙が最適。理由は、コピーを仕損じた紙の裏に書くなら気兼ねなく捨てられるから。また無地なので、発想に制限をつけずに真っ白な気持ちで、スピーディーに書き出せるという利点もあるといいます。

そして熟慮を重ねる仕分けには方眼タイプのレポートパッドを。横の罫線だけが引かれたノートだと、罫線に合わせて発想しようとしてしまうもの。しかし方眼紙は縦横の線になっているため、一定の規律を保ちながら自由に書き込みができ、熟慮に向いているということです。

紙は横書きにして、1テーマにつき1枚を使用。なぜなら横書きで記述スペースを大きくとって大きな字で書いた方が、発想の枠も広がりやすくなるから。また、ひとつひとつ余分な選択肢を引き算していくためには、1枚の紙に1つのテーマだけにすることが肝心。1枚の紙に複数のテーマを書くと、意識が分散してしまうからだといいます。

大切なのは、「メモ用紙を使って、仕分けが終われば捨てる(物理的にも引き算する)」という部分にあるそうです。(45ページより)

「黒のサインペン」と「青の万年筆」の使い分け

さらには、メモ用紙の相棒としてのペン選びもまた大切。著者のおすすめは、黒のサインペンだといいます。なぜならサインペンは、紙の上の走りがなめらかだから。ボールペンやシャープペンシルが「グラウンドをしっかりとスパイクで歩く感覚」であるのに対し、サインペンは「アイススケートのような感覚で、すらすらと書き出せる」というわけです。

ただし著者は、経営戦略や人生の決断ごとなど、より集中して整理するテーマの場合は、あえて青インクの万年筆にすることがあるそうです。いつもと違う筆記用具を使うことは、気持ちを切り替えるスイッチになるから。(49ページより)

ほかにも、思考を行動に移す方法や、「情報」の仕分け方など、「セパレート思考」をさまざまな角度から解説しています。活用しやすいものばかりなので、本書の方法論を身につければ、仕事を効果的にブラッシュアップできるかもしれません。

image via Shutterstock

(印南敦史)

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