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猪熊弦一郎が描く、ユーモアたっぷりの猫たちに癒されっぱなし

2015/07/18 00:00 投稿

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仕事でミスをしたり、友人と喧嘩をしてしまったり、日々暮らしていると時には落ち込むことだってあります。そんな時におすすめしたいのが、『ねこたち』(リトルモア)という本。

タイトルが表すとおり表紙には、こちらを見つめる猫、猫、猫のイラストたち。総勢12匹、計24の瞳は何かを無言で訴えかけてくるようです。その視線につられてページをめくると、ユーモラスな猫画がそこかしこにあふれていて、猫好きはノックアウトされること間違いなし。そのゆるかわいさに悩みごとなんて吹き飛んでしまいそう。

本の中で、いろいろな表情を見せる「ねこたち」

《題名不明》1987年頃 /© 公益財団法人ミモカ美術振興財団 

たとえば、赤いインクで描かれたこの一枚。目をくりっとさせた、いかにも猫らしい猫も描かれているけれど、よく見てみると、隅っこのほうに今にも舌打ちされそうなくらい目つきが悪い猫がいたり、やたらと神妙な顔をしている猫がいたり......。その表情の豊かさに思わず笑みがこぼれてしまいます。

《題名不明》制作年不明/© 公益財団法人ミモカ美術振興財団 

そのほかにも、仰向けになってこちらを見つめる小さな猫、しっぽをピン!と伸ばし、身をかがめ獲物を狙う猫、ねずみを口にくわえてらんらんと目を輝かせる猫、切なげな表情でテーブルの料理を見つめる猫、大福のような体で素朴な顔のデフォルメ猫など、猫たちの様々なシチュエーションが優しい視点で切り取られています。

猪熊さんの猫たちへの愛が伝わる一冊

《題名不明》制作年不明 /© 公益財団法人ミモカ美術振興財団

この愛くるしくてユーモラスな猫たちを描いたのは、生前、藤島武二やアンリ・マティスに師事した画家・猪熊弦一郎。上野駅の改札口に飾られている壁画《自由》や、彼がデザインした三越の包装紙を、誰もが一度は目にしたことがあるはずです。猪熊さんは、「一度に1ダースの猫を飼っていた」こともあるという大の猫好き。作品の合間には、猪熊さんの文章や、猫にまつわるエピソードが挟まれ、その並一通りでない猫愛が伝わってきます。

この夏、猫たちに会いに行ける

この夏、香川県の「丸亀市猪熊弦一郎現代美術館」にて『ねこたち』と関連した展覧会、その名も「猫達」展が開催中。本の中で自由気ままに振る舞っていた猫たちに再び出会うことができます。9月下旬まで開催しているので、夏の旅の候補地にしてみてはいかがでしょう?

[猪熊弦一郎展 猫達]

場所:丸亀市猪熊弦一郎現代美術館

会期:2015年6月13日(土)~9月27日(日) 会期中無休

開館時間:10:00-18:00(入館は17:30まで)

観覧料:一般950円(760円) 大学生650円(520円)

※高校生以下または18歳未満・丸亀市在住の65歳以上・各種障害者手帳をお持ちの方は無料

[ねこたち,丸亀市猪熊弦一郎現代美術館]

(マイロハス編集部/岸田)

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