見渡す限り人影もなくたまにのんびりと牛が草をはみ時間が止まってしまったようなのどかな風景が広がるこの村は世界一有名なチーズ『カマンベールチーズ』発祥の地として世界的に有名です。
正真正銘の『カマンベール』が生産される村フランス革命時頃の1791年当時、主流だったクセのつよい青カビではなく白カビによる熟成でとろけるようなクリーミィなチーズを生産し、ナポレオンにその美味しさを認められて世に知られるようになりました。
シャンパーニュ地方でつくられる「シャンパン」とそれ以外を「スパークリング・ワイン」として明確にわけていることはよく知られています。よく聞く「カマンベールチーズ」の名も正真正銘の『カマンベール』とはフランスのノルマンディー地方で生産されてAOP(原産地名称保護制度)認定されているこの村で生産された『カマンベール・ド・ノルマンディ』のチーズだけなのです。
「アン・ヴィラージュ・アン・フロマージュ(一つの村に一つのチーズ)」とフランスで言われるように、昔は交通の便も悪く村から一歩も出ることのない村人がほとんどであったことから、生産されたチーズがそのまま村内で地産池消されていました。
日本でも始まった「本物」を保護する制度日本にもフランスのAOP制度のような「地理的表示保護制度(GI制度)」が6月1日から施行されています。
さっそく『夕張メロン』『八丁味噌』などが名乗りをあげて申請しているそう。これからは土地によってのさまざまな気候・独自の製法でつくる「本物」を保護し、おいしい名品を安心して手に入れられるようになるかもしれません。
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