店にも客を選ぶ権利があると主張する店長。「子どもと犬を同等扱いするな」との批判の声も理解ができない様子。行儀の悪い子どもやそれを注意しない大人が多いため、このような経路にしかたなく至ったと説明しています。
このビアガーデンは「ビーチ」さながらに白砂が敷かれており、真ん中には素敵なバー。パラソルやもたれ椅子などが用意された、都会のオアシスのよう。会社帰りに立ち寄ったり、学生が友だちと水着を着て飲んでいたり、一見すると小さな子どもたちにはそぐわない場所であるとすぐにわかるのです。
ことの発端は以前、どうしても自分が楽しみたい親が連れてきた、子どもたちがあまりに大きな声を出すことだったそう。飲み物用のガラスのコップで砂遊び。あとにそのガラスで足を怪我する人がでるなどのトラブルだけでなく、椅子の上に立ったりしてはしゃぐ子どもに注意しない親が多かったため、客足を心配した店長の苦肉の策だったようです。
「容認」だけが子どもに優しいの?ドイツでは子どもは騒音と考える、子ども嫌いな人が多いのも確か。もともと騒音全般に対して非常に神経質な国民性だからなのでしょうか。なんと車のドアをうるさく閉める、また午後のいわゆる「騒音フリー時間帯の1時から3時まで」にビンを捨てたりうるさくすると罰金が課せられるなど、法によって定められているんです。
と同時に、わが子を必要以上に甘やかす親がドイツにも多くなってきたのも目につきます。必要以上に周囲の「容認」だけを要求し、自分さえよければそれでよいという自分勝手な大人が増えたのも事実としてあります。
もちろん、ドイツ人みな子どもが嫌いというわけでは決してありません。そして子ども連れでも自由に入れるカフェやビアガーデンももちろんたくさんありますので、そちらに行くべきだ、との声も多く聞かれます。「個人の権利」と「容認」との意見で、真っ二つに分かれています。
いずれにしても、子どもは騒音であると思う人は、自分自身も昔は子どもだったことを思い出してほしい。一人一人が少しだけ子どもの声を受容することで、社会は少しだけ優しくなることの意味を考えてみてほしい、と思うのです。
[DIE WELT]
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