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少しずつ揃えたい。竹で作った道具たち

2015/06/11 23:00 投稿

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天然素材の衣服やハンドクラフトの生活雑貨を取り揃えた東京・かぐれ表参道で竹を使った珍しいカトラリーを見つけました。

高知市で制作活動をしている竹細工作家の下本一歩さんのカトラリーやキッチングッズは竹の特性を生かしたユニークなデザインと使いやすさが人気。店頭に並ぶのを待っているお客様も多いそうです。

使っているのは、抗菌作用の高い燻製された竹

竹の節の形でひとつひとつ違う表情を見せるおたま。柄の部分は別の竹を使ってデザインしている手の込んだ作品。おたま 穴なし 大4500円・小3800円、穴あき 大4500円・小3800円、田鶴濱守人 ピッチャー 6500円(すべて税抜き)

高知県生まれの下本さんが仕事を始めたきっかけは、外国人の友達に誘われて参加した、日本の伝統的な炭窯作りのワークショップでのこと。その面白さにハマって、祖母の土地に自分の釜を作り、地元のベテラン炭焼き職人さんに教えてもらいながら、炭焼きの仕事を始めました。

12年ほど前から仕事のかたわら、趣味で竹のスプーンや箸を作り、友達にプレゼントしていたそう。そんな木下さんの作品が、偶然、高知のギャラリーの目に留まり、展示会のお声が掛かったのが8年前。初個展にしてほぼ完売という盛況ぶりにお店で取り扱ってもらうことになり、その後、県外にも販路が広がりました。

燻された黒い部分を生かしてデザインされたベビーフォークやスプーンは子供も握りやすいと好評です。左からベビーフォーク・スプーン 共に2000円、バターナイフ 2000円、スプーン3000円、フォーク3200円(すべて税抜き)

下本さんが使っている竹は筒(丸太)のまま燻しています。燻製された竹は抗菌作用を高めるのでカビや虫に強くなり、素材自体が堅くなるので強度も増してキッチンで使うのに適しています。特徴のある黒い部分はデザインにも生かされています。

また、「竹は他の木材に比べて、柔らかくさまざまな形を作ることができるし、乾燥も時間が短く、扱いやすい材料です。」と竹の特徴について話してくれました。

竹を使うことが、山の保護にも

新作の茶漉しは使うのが嬉しくなる愛くるしい形。茶漉し4500円、小高千繪 急須 10000円、蕎麦猪口 1800円(すべて税抜き)

トングは竹の特徴である「しなり」が最も生かされています。大きさが3種類あり、ひとつ、ふたつと買い足していくファンも。トング 大3800円、中3500円、小3200円 写真のほかに、角砂糖などに使える小より小さいミニサイズ2500円も。(すべて税抜き)

使っていくうちにツヤが出ていい飴色に変わっていくのも竹素材の面白いところ。コーヒーメジャー 3600円、松村英治 コーヒーカップ 2300円(すべて税抜き)

一本あると便利なジャムスプーンは、角型で取りやすい形になっています。上・マドラー 2000円、下・角ジャムスプーン2200円、田鶴濱守人 皿 3000円(すべて税抜き)

高齢化が進む山間部では山の手入れをする人が減っているため、竹林が広がり、山を侵食するという環境問題にもなっています。そのため下本さんのところには「うちの竹も切ってほしい。」とお声が掛かることも多く、材料には困らないのだそうです。

「始めた時には思いもよらないことですが、竹を使うのは山の環境にも役に立つことだったんです。」と話す下本さん。

山の自然保護にも一役買っている竹のカトラリーが、キッチンを楽しく豊かにしてくれそうです。

[かぐれ表参道]

東京都渋谷区神宮前 4-25-12 MICO神宮前

TEL:03-5414-5737

OPEN:11:30~20:00(不定休)

(写真・文・スタイリング/石黒美穂子)

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