とはいえ、ハワイもれっきとした海外。その土地のルールに従うのが旅行者の礼儀です。
そこで、日本人がハワイ旅行で頭を悩ませるのは「チップ」の問題。アメリカ人でさえ、渡す相手と値段に頭を悩ます難問です。また「日本人はチップを払わない」との悪評があるのも事実。
たしかに、日本人には理解し難い習慣ですが、チップは、労働者にとって必要不可欠な収入源の一部です。日本の旅館で仲居さんに渡す「心付け」とはまったく意味が異なるもの。アメリカではチップはれっきとした「課税対象」で、いただいたチップはきちんとした収入として申告されています。理解できないからと言って無視することなどせず、現地のしきたりを尊重しましょう。
では、いつ・誰に・どれだけ・どのように渡せばいいのか? 私自身、チップをいただくこともある立場の人間として、少しずつわかってきた、ハワイでのチップにおけるTPOと相場をこっそり教えちゃいますね。ちなみに、ハワイでは基本的に、チップはお札で渡します(小銭は避ける)。
●ハワイのチップの相場
<ポーター>
荷物1個につき1ドルが相場。大きさや重さによっても異なる。ただし、ツアーの場合は不要
<ルームキーパー>
ベッド1台につき1~2ドル。枕の上などわかりやすい場所に毎日置いておく
<ドアマン&ベルマン>
タクシーを呼んだり、クルマの移動時に2ドル程度
<レストラン>
ランチは料金の10~15%。ディナーは15~20%前後。サービスの質などにより増減させるのが一般的
<バー>
1杯あたり1ドルをウエイターやウエイトレスに渡す
<タクシー>
乗車賃の10~15%程度。近距離の場合は1ドル。荷物の積み降ろしを手伝ってもらった時は荷物1つにつき1ドル
<その他>
スパのスタッフやアクティビティのインストラクターには、料金の15~20%。ルームキーパーやボーイに頼み事をする場合は、1回につき2ドル程度。レンタカーやシャトルの運転手、ホテルのバレー・パーキングの担当者には、2ドル程度
[※参照:ホノルル GUIDE BOOK 2012]
ここで注意したいのは、「サービスの質などによりチップの額を増減させるのが一般的」というのは、「払わなくてもいい」ということではないこと。最低でも10%ほどのチップは渡したうえで、苦情がある場合は店のマネージャーに話すのがベター。また、最近のオアフのレストランでは、チップがあらかじめ請求額に加算されている場合もありますので、確認することが必要です。
●カードでもチップの支払いができる!
ちなみに、カードで支払うときでもチップを加算することができます。伝票の合計と、その下に「Tip」と書かれた空欄があるので、そこにチップの金額を記入し、代金との合計を書き込みます。チップだけ現金で支払う場合には、チップをテーブルの上に置き、伝票の「Tip」の欄に「on the table」と書きます。
●ハワイウエディングのチップの相場
そして、人気が高いハワイでのウエディングでもチップを払うシーンはたくさんあります。ウエディングはおめでたいイベントですし、ここは気前良く! チャペルの牧師、ミュージシャン、ヘアメイク、コーディネーター、運転手、カメラマン等々、関わった人全員に、最低でも20ドルずつが相場。また、その人たちが日本人だったとしても、チップを支払うのが常識です。
いろいろと悩んでしまうチップ事情ですが、アメリカでは、チップのエチケットとしていちばんしてはいけないのは「チップを渡さないこと」。ハワイ旅行でのチップは、基本的に「迷ったら渡す」と考えましょう。残念ながら、チップがない、あるいは少ないことを理由に横柄な態度を取る人も、存在します。そんなことでせっかくのハワイ旅行が台無しになるのはもったいない! マナーのひとつとして、チップ事情をきちんと理解しておきたいものです。
[参照元:Tipping Etiquette: A Guide for Travelers]
photo by Thinkstock/Getty Images
text by 石川裕子
ハワイ島で写真教室・ウェディングや記念写真を撮影するフォト・エージェンシー「三日月カメラ」代表。大手新聞社にて報道カメラマンとして勤務後、ハワイ島へ。ハワイ州マッサージ・セラピストライセンスを持ち、レイキも施す「揉んで癒せる」スピリチュアル系フォトグラファー。猫とウクレレをこよなく愛し、夜な夜なサザンを弾き語っています。
http://mikazukicamera.com
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