無造作ヘアにナチュラルメイク。ブレない心と自由さ。世界が憧れるパリジェンヌは、よくこんな言葉で表現されます。
彼女たちの生き方を掘り下げた1冊が『パリジェンヌのつくりかた』。トップモデルのカロリーヌ・ド・メグレをはじめとする4人が綴った本です。今回はこの本から、パリジェンヌ流の恋愛の秘訣を紹介したいと思います。
恋愛の信念は母親ゆずり*いつでも、準備万端の状態でありなさい。彼はもう、道の角まで来ているかもしれない。
*愛があるだけではダメ。努力だって必要。
*年齢を理由にして、早く寝ようとしてはいけない。
*経済的に自立していなさい。そうすれば、純粋に愛だけで繋がっていられる。
*もう愛し合えないかもしれない、と思っているときは、まだ愛し合えている。
これからも愛し合っていたいな、と思っていたら、もうそこに愛はない。
*もし彼が良い馬ならば、ひとっ飛びで自分のところへ戻ってくる。
*人生一度しかないからといって、台無しにするのを恐れてはいけない。『パリジェンヌのつくりかた』P156より引用
フランスの女性たちは、上記のような母親から受けた「教え」を「信念」として持っているそう。ここだけ読むと、自由で人生を謳歌している強い女性のように思えます。が、実はパリジェンヌこそ、自分たちの細かいこだわりに縛られている――なかば強迫観念かのように。という新しい見方を打ち出しているのが本書なのです。
わかるようなわからないようなルールを掲げ、ナチュラルの裏で努力をし、自由気ままの裏でかけ引きをし、こだわりと知性を武器に日々をおくっている。
パリジェンヌは生まれたときからパリジェンヌ!と思っていましたが、意外に私たちと似ているかも?という部分も書かれています。それがかわいらしくて、彼女たちの生き方がぐんと身近に感じられました。
「私」をアップデートし続けるたくさんの恋愛をしてきた、ということはそれだけ失恋もしてきたわけで、そのたびに一回りも二回りも強くなる。自分がどんな人間なのか冷静に分析できるようになり、より自立した女性になれるはずだ。それが恋愛の「メリット」でもある。自分一人で幸せに生きることもできるけれど、この人といると、より幸せになれる――恋愛をそんなふうにとらえられるようになる。
『パリジェンヌのつくりかた』P147より引用
つねに、「ありのままの私」を更新し続けるパリジェンヌ。経験をムダにしない感性と、サバサバ生きていく様子が垣間みられる言葉です。でもときどき、めそめそしている様子も描かれているところが本書のポイント。
休日の昼下がりが似合う、すいすい読み進められる1冊です。
(マイロハス編集部/寺田)
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