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姿が見えなくても、恋に落ちるには十分な理由

2015/04/23 23:00 投稿

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見ているつもりでも、見えていないものがたくさんある。視力がなくても、見えるものがたくさんある。この映画を観ると、「見る」という行為についてあらためて考えたくなります。 白杖を使わずに外の世界を生きる盲目の教師

舞台はポルトガルのリスボン。ある視覚障碍者の施設に、イアンという新任教師がやってきます。目が見えないけれど白い杖を使わない彼は、「反響定位」という、舌と指をならすテクニックで歩き、施設のなかに閉じこもりがちな子どもたちを外の世界へ導こうとします。

自分の可能性を示された子どもたちはすっかり彼に魅了され、部屋に閉じこもりがちだったエヴァという女性もまた、イアンに興味を持ち、ともにリスボンの街に出ることになる......。

「反響定位」というのは、音の反響を使って、周囲にあるモノの距離や大きさを計るという方法。冒頭、イアンを試そうと廊下に置かれたクローゼットに気づき避けるようすに周囲は驚きます。ほかにも、音や匂い、靴の音から履いている人物を想像するような推理力で、状況を「見る」イアン。彼の「見えている人は、実は『見て』いない」といったセリフにドキッとさせられました。

この映画で思い出したのが、『ダイアログ・イン・ザ・ダーク』という暗闇体験のワークショップ。参加していちばん印象的だったのが、暗闇のなかで足がすくんで動けなくなった私たちを、視覚障害者であるガイドさんが、自由に動き回って介助してくださったこと。私たちがどれだけ「視覚」に頼って生きているか、それ以外の感覚を研ぎ澄ませれば、見えることがたくさんある、ということを考えさせられた体験でした。

リスボンの街を舞台にしたラブストーリー

登場人物たちが目が見えない設定だからか、音や気配、光と影の印象的なシーンがたくさん出てきます。明るい陽ざしのなか、リスボンの街を歩き回っている彼らを観ているだけでも、旅ゴコロがうずきます。夜の水辺のシーン、ラスト付近のあるシーンも、映像詩のように美しく、脳裏に焼き付きます。

「視覚」について考えさせる映画ですが、ベースとなるのはラブストーリー。目が見えている私たちから見れば美男美女ですが、彼らが惹かれあう理由は、それ以外のこと。そんな「恋愛」の本質についても気づかされます。とはいえ、イアン役の俳優さんは、見た目を含んでほんとうに素敵! ほかの出演作もぜひ観てみたくなりました。

イマジン

監督:アンジェイ・ヤキモフスキ

出演:エドワード・ホッグ、アレクサンドラ・マリア・ララ

4月25日(土)より、渋谷シアター・イメージフォーラムにて公開後、全国順次公開

(c) ZAiR

配給:マーメイドフィルム

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