凛としたたたずまいの舞妓さんや。着物の着こなしや穏やかで女性らしい言葉遣いは憧れです。舞妓さんは日々おしろいをたっぷり塗った伝統的なメイクをしていますが、素肌はとてもキレイな人が多いそう。
舞妓さんたちが化粧を落としたときの肌の美しさにおどろき、彼女たちの日常生活をヒントにコスメをつくった女性がいます。
舞妓さんの美の秘密彼女の名前はビクトリア・ツァイで、2009年に立ちあげたコスメブランドは「TATCHA(タッチャ)」と言います。高校時代までニキビひとつなかったというツァイさんですが、メイクをしはじめたころから肌状態が悪化。その後ハーバードビジネススクールに通うかたわらインターンした化粧会社の試供品を使ったことで、肌は最悪の状態になってしまいます。
そんな折、出張先のシアトルで日本のあぶらとり紙を購入し、京都の舞妓さんのスキンケアに興味をもった彼女。その後、京都で舞妓さんたちにインタビューする機会を得た彼女は、彼女たちの美が米や緑茶、わかめなどの伝統的な和食のおかげだと確信。米や緑茶のエキスを配合したコスメづくりをはじめます。
人気のあぶらとり紙ツァイさんが「キレイな素肌を取りもどしたくて」立ちあげた「TATCHA」は、メイクアップアーティストを通してじわじわと人気をよび、ヴォーグ誌やウォールストリートジャーナルでも取りあげられるほどにまで成長しました。
そんなタッチャのいちばんの人気商品は、「ORIGINAL ABURATORIGAMI(オリジナルアブラトリガミ)」というあぶらとり紙。ほかにもローションやセラム、リップクリームなど品揃えが充実しています。エキゾチックなパッケージも、欧米人の女性の心をくすぐるようです。
アメリカでは最先端の技術ばかりを追求している。けれど気づいたことがあります。自分たちの母親世代やおばあちゃんたちは高齢でもキレイ。未来に関心を寄せる人もいるけれど、自分は昔の良きものを大事にしたいのです。
(「ZY」より引用)
良いものは昔からつかわれているとを教えてくれた舞妓さんを、ツァイさんは尊敬の意をこめ「アート・パーソン(芸術家)」と呼んでいます。ナチュラルビューティーのヒントは、伝統的な暮らしのなかにありました。
photo by Thinkstock/Getty Images
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