梅村マルティナ気仙沼FSアトリエが立ち上がったのは、震災から1年後の2012年3月のこと。ちなみに、FSはドイツ語で「Friedenssocken」つまり「平和の靴下」という意味です。
1987年に医学研修生として来日し、ドイツ語教師などを務めながら京都の地で暮らすマルティナさんが、もともとの趣味であった編み物教室をはじめたのは2006年のことでした。震災後ドイツへの帰国も考えたというマルティナさんですが、子どもたちの希望により日本に残ることを決意。なにか自分でもできることはないだろうかと考えたときに、思い浮かんだのが編み物だったそうです。
被災地に雇用をつくりたい避難所で生活する人びとにとって、指を動かすしあわせを感じる編み物はきっと役立つに違いない。そう思ったマルティナさんは、被災地支援NPOを通じていつくかの避難所に毛糸玉と針、編み図のセットを届けてもらい、気仙沼とのつながりがはじまりました。
避難所の人びとと一緒に毛糸を使い、復興のシンボル「小原木タコちゃん」を制作。しだいに仮設住宅に住む人びとのために雇用を生みだしたいという思いが生まれ、とうとうニット製品の製造・販売会社「梅村マルティナ気仙沼FSアトリエ」を立ちあげることに。
そんな「梅村マルティナ気仙沼FSアトリエ」で手に入れることができるのがOpalという魔法の毛糸です。ドイツのTUTTO社というメーカーのもので、単純にメリヤス編みで編むだけで、複雑に糸を変えたようなカラフルな模様が編みあがってしまうのです! これなら編み物初心者でも大丈夫。だれが編んでもかならず素敵に仕上がる、まさに魔法の毛糸なのです。
さまざまなカラーパターンがあるのも魅力で、Opal毛糸で編んだくつ下や帽子の可愛さといったらありません。まるっきりはじめてという人には、マルティナさんの編み図がついたセットを。ただ無心で指を動かす編み物には、物をつくるという行為に加え、気持ちを安定させる効果もあるそうです。
広がる「しあわせを編む輪」設立時には3名だったスタッフもじょじょに増えて会社として軌道にのった「梅村マルティナ気仙沼FSアトリエ」。編むことの楽しさシェアしたいと望む気仙沼のみなさんの「しあわせを編む輪」の仲間に加わってみませんか?