そのヒントは『気にしない練習: 不安・怒り・煩悩を「放念」するヒント』にありました。この本の著者、密蔵院の名取和尚は意識的に「損得」と口にしないようにしたのだとか。たとえば一番損得が強くあらわれる買い物に関しては、「A店で買うのは損だ」の代わりに「A店で買うとお金がもったいない」と言うことにしたそうです。すると「損した」と思わなくなったと言います。
ほかにも損得を考えない買い物といえば、地元の商店街でしかものを買わないという人の話を聞いたことがあります。日ごろお世話になっている地域のお店だから、多少ほかの店より高くても感謝の気持ちで買うというのです。これも損得で測れない生き方かもしれません。
自分のしたこと以上に他人に助けられている名取和尚はこういいます。
自分がしたことの裏側にはどれほど多くの人の助けがあったことかを考えるべきでしょう。
(『気にしない練習: 不安・怒り・煩悩を「放念」するヒント 』P159より引用)
だれかが作った道を歩き、だれかがキレイにしてくれた水を飲み、仕事でも周りの人の助けがなければ、ふつうに生活することすらできないはず。
今日一日をとって見ても、自分がやったことより、やってもらったことのほうが圧倒的に多いのだということを思えば、細かい損得を考えるなんて意味のないことだと思えてきます。
[気にしない練習: 不安・怒り・煩悩を「放念」するヒント ]
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