そこで用意しておきたいのが、チョコレートをよりいっそうおいしく感じさせてくれるドリンクです。
チョコレート別、相性の良いワインチョコレートと合う飲み物といえば、すぐに思いつくのはコーヒーやブランデー。でも実は、ワインもそのおいしさを引き立ててくれるそうです。
具体的にどんなワインを選ぶといいのか、イタリア料理家でワインソムリエの市原禎紀さんに初心者にもわかりやすく教えてもらいました。
<ミルクチョコレート/ガトーショコラなどチョコレートケーキ>
酸味のひかえめな甘苦系赤ワインがぴったり。品種はグルナッシュを主体としたものがベスト(仏のものはこう呼ばれるが、イタリア・サルディーニャ島のものはカンノナウ、スペインのものはガルナッチャという名前で流通する)。また、アルコール度がやや高めのものでは、スペインのクリームシェリーがおすすめ。
<ビターチョコレート>
カカオが70%以上なら、どっしりとしたタンニンを感じる赤ワインを。たとえば、カリフォルニア・ナパ地方のカベルネ・ソーヴィニオンなど。
<ホワイトチョコレート>
樽の風味のきいたシャルドネ、またはやや甘口のスパークリング。ポイントは飲むときの温度で、冷やしすぎないほうが良い。泡でないシャルドネなら15℃前後、スパーリングなら13℃前後が理想的。
<ナッツ入りのチョコレート>
シェリーの一種アモンティリャードは、それ自体にもナッツの香りがあってマッチ。
<フルーツ入りのチョコレート>
ハンガリーの甘口白ワイン「トカイ」や、陰干ししたブドウを原料にしたイタリア・ヴェネト州のレチョートやシチリアのパッシート、トスカーナ・ウンブリア州のヴィンサントの甘口。
中でも、市原さんのおすすめは「ミルクチョコレート、またはガトーショコラなどのチョコレートケーキ×酸味ひかえめの甘苦系赤ワイン」。また、ワインを一緒にプレゼントするとしたら、ハーフボトル(375ml)が良いとも。
「ワンホールのガトーショコラを切り分けつつ、グラスにワインを注ぎ合って乾杯するバレンタインってすてきですよね。男性だけじゃなく、女性も一緒に楽しめます。フルボトルのものだと、サイズ感も味わいもどっしりしていてちょっと重い。その点、ハーフでガトーショコラとの相性の良い赤ワインなら、2人で飲みきることができます。もし余ってしまっても、4、5日は持ちますよ」(市原さん)
具体的には、『レ・コンブ ダルヌベル シャトーヌフ・デュ・パプ 2010』がイチオシだそう。「フランス・ローヌ地方のもので、グルナッシュを主体に13種類のブドウが配合されています。アルコール度、ボリュームともにリッチな仕上がりで、ミルクチョコやガトーショコラにベストマッチの一本です」
大切なひとと、ワイン片手にチョコを味わう。美味しくてちょっとロマンチックな、大人のバレンタインになりそうです。
気軽に楽しみをシェアできる、しなやかな女性にまた、イタリアで修行していた市原さんからはこんな提案も。
「職場などで義理チョコや友チョコをあげる人は、朝、コーヒーのソーサーに『バーチディダーマ』をさりげなく添えてあげるのはいかがでしょう?」
ころんとかわいいバーチディダーマ。
こんなふうにカップに添えて。
何これ、と聞かれたら、今日はバレンタインみたいよ、とすかさず添えて。
「ラッピングして『義理チョコでございます』と仰々しく渡すよりも、サッと楽しみをシェアできる、すてきな女性だと思われること請け合いです」(市原さん)
ちなみに「バーチディダーマ」は、イタリア・ピエモンテの伝統的なお菓子で、名前には「貴婦人のキス」という意味が。バレンタインにぴったりですね。
2月10日(火)と12日(水)、市原さんの料理教室でも、メインのお料理とともに、ガトーショコラとバーチディダーマをつくります。ぜひ、facebookで詳細チェックを。
Chocolate cake,Baci di dama via Shutterstock
(マイロハス編集部)