「ダイニングアウト」は、地方の絶景スポットに数日間だけ現れる特別なレストラン。料理を担当するのは、普段は、都会の一流店で腕をふるうトップシェフです。彼らが数か月も前から何度も現地に足を運んで地産食材をリサーチし、構想を練ったコース料理を、大自然の澄んだ空気とともに味わうことができます。
これまで、2012年の新潟県の佐渡をかわきりに、沖縄県の八重山、徳島県の祖谷、大分県の竹田で実施されました。今後も都内や静岡県の日本平で開催が予定されています。
DINING OUT SADO
DINING OUT TAKETA
絶景を眺めながら一流シェフの料理を味わうこのうち大分県の竹田では、かつては難攻不落といわれた山城・岡城のきりたつ石垣の上に2夜だけ、ダイニングアウトの会場が出現しました。
料理を担当したのは、ミシュラン2つ星を獲得している銀座「エスキス(ESqUISSE)」のリオネル・ベガさん。サフラン、かぼす、久住高原牛など、竹田の地産食材を使っただけでなく、食材さがしや地元の人との対話から感じ取った竹田の息遣いを、皿の上に表現しました。それはベガさんにとって「シェフ人生を大きく変えた特別な体験だった」そう。
「荒城の月」/DINING OUT TAKETA
「海から遠く離れて」/DINING OUT TAKETA
給仕係を担当した竹田在住の人々も、ベガさんが料理で表現する「竹田」を目の当たりにし、今まで身近すぎて気が付かなかった土地の魅力を認識することになりました。また、普段は竹田で飲食業に従事している彼らの多くにとって、ダイニングアウトで行動を共にしたベガさんと「エスキス」スタッフの洗練された仕事ぶりは強い刺激に。このようにして、色々な土地に世界一流のエスプリが溶け込んでゆく仕組みとしてもダイニングアウトは画期的といえるでしょう。
春の富士を見ながらお花見
そんなダイニングアウト。興味が湧いたけど、なかなか東京を離れられない、という人に朗報です。これまで各地でダイニングアウトを担当したシェフが都内でそれを再現するイベントが開催されます。実際に提供した料理に加え、各開催地の今の季節を東京にいながら感じてもらうために、新しい食材や提供の仕方をそれぞれのシェフが改めて構想中だそうです。
さらに、次のダイニングアウトは、富士山の絶景ポイントとして知られる静岡県の日本平で行われるそう。「お花見」をテーマに、神保町「傳」の長谷川在佑さんが日本料理を、フラワーアーティストの赤井勝さんが会場装花を担当。春の富士を望める、桜で満たされた会場は、たいそう美しいに違いありません。
[DINING OUT SPECIAL SHOWCASE with LEXUS](要申込)
2015年2月21日(土)下野昌平 presents YAEYAMA
2月22日(日)髙澤義明 presents SADO
2月28日(土)リオネル・ベカ presents TAKETA
3月1日(日) 米田肇 presents IYA
場所:INTERSECT BY LEXUS TOKYO(東京都港区南青山4-21-26)
[DINING OUT NIHONDAIRA 2015](要申込)
開催期間 2015年3月22日(日)〜3月23日(月)
場所:静岡県日本平
ホスト:山田五郎(編集者・評論家)
シェフ:長谷川在佑
フラワーアーティスト:赤井勝
(マイロハス編集部/織田)