そんなおどろきの事実をおしえてくれたのは、量子論に基づく宇宙創生理論、「ゆらぎ」研究の第一人者でもある宇宙物理学者の佐治晴夫さんです。佐治さんの著書『からだは星からできている』によると、すべての物質をつくるもととなる元素たちは、星のなかで合成され、星が超新星爆発したときに「星のかけら」として宇宙空間にばらまかれるのだそう。そして......
そして、宇宙にもどる私たち人間も、その「星のかけら」が集まってできているのですから、脳の中に、はるかな宇宙進化の記憶が刻み込まれているといっても言い過ぎではないのです。
(『からだは星からできている』P2より引用)
「宇宙の記憶のかたまり」ともいえそうな人間のからだ。ですが、一生を終えたときには火葬や土葬などを経て、カラダを構成していたすべての物質たちはふたたび地球に戻ります。そうして地球の一部となった、元「わたし」である物質たちですが、その後はこうなってしまうのです。
数十億年後に太陽が地球をのみ込むほどに大きく膨張すると、宇宙の霧となって、宇宙に戻ることになります。
(『からだは星からできている』P53より引用)
そしてきっとまた星となり、循環しながらその形を変えつづけるのでしょうか。だとすれば、私たちはみんな同じところから来て、同じところに帰ることになります。もちろん亡くなったひとも、苦手な人も、愛する人も、さらには人だけでなく地球をつくりあげるすべてが同じところへ。
そうして宇宙に思いを馳せていると、人として生きる時間はほんのわずかに思えてきます。この貴重なときを、みなさんはどう過ごしますか?
新年のすがすがしい空を見上げ、宇宙のロマンにひたりたいと思います。
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