8歳の息子とふたり、台湾に行ってきました。
彼のパスポート写真を確かめるとすでに4年は経過しており、当時よりだいぶん表情も変化しています。つくづく、大きくなったなぁと感じます。
「お母さんとふたり旅」というのも、たまにはいいものです。
いつもならお父さんと妹と4人で行動しますから、方向は地図が得意なお父さんの役割です。ただ今回はお父さん不在のため、その役目はわたしに回ってきました。歩けど歩けどホテルにつかず、台南市内を何キロも歩き、気がついたら人通りのない場所まで来てしまっていた!なんてことも。そんな心細い状況なのに、息子は笑って「そのうちタクシーが通るから大丈夫だよ」と励ましてくれました。方向音痴なのは自覚してましたが、なんとも情けない......。
ぼんやり道に立っていたら、遠くに黄色いタクシーが。そのときのタクシーのありがたさたるや。ちょっとしたことも、旅ではおおきな出来事のように感じます。だから面白いのかも知れません。
台南から電車で1時間ほど、高雄というおおきな街までパンを買いにいってきました。そこのパン屋さんは世界パン大会でいちばんになったことがあるとか。なかでも台湾らしいフレーバーのライチパン、龍眼パンは人気のようで「行けたらぜひ買ってきて!」とパン好きの夫に頼まれていました。そんなミッションも旅の醍醐味。さっそく高雄に到着し、地下鉄とバスを乗り継いでそのパン屋さんまで行ってきました。
世界一の風格漂う高級感ある店内は、焼きたてのパンでいっぱいでした。目当てのパンもあります。ほかに息子はカレーパンと明太子パン。わたしはバナナパンとエッグタルトなど買って、長蛇の列に並びます。酵母は白神こだま酵母だったり、バターは四つ葉だったり。オーナーは「日本で修行した」というだけあって、その影響が大いに出ています。小雨降る高雄には、このパンだけを買いに行き、またとんぼ帰りで台南まで戻ってきました。
写真はライチパンです。ドライのライチが入っていて、エキゾチックな味です。ほかのパンもとってもおいしく、行った甲斐あったなぁと嬉しくなりました。
台湾は10年前に行ったきり。なので10年ぶりの再訪です。いまの台湾はかなりのバブルらしく、街も人も活気づいていました。息子の大好物の肉まんも、そして小籠包やタピオカミルクティーも満喫したし、夜市も最先端のショッピングモールも、ローカル電車もバスも堪能したし、5泊6日の短い旅でしたが十分にたのしんできました。
那覇から台北まではたったの1時間半。なのにそこにはまったく別の文化があって、風景が広がっています。帰国して、やんばるの森のなかでこの原稿を書いていますが、台湾の方向に目をやると、まだ残像がはっきりと浮かんできます。
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