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ひとに伝えたくなる、食卓にお肉が届くまでの話

2013/01/28 20:02 投稿

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僕には知らないこと、たくさんあります。数式だってわかりませんし、女性の気持ちもわかりません。

でも、知らないといけないこと、目をそらしてはいけないことってあるとおもうんです。

そのひとつが「食」について。たとえば、普段何気なく食べているお肉。これがどうやって食卓に並んでいるか、お弁当にはいっているか、パックにされているか。

牧場で育てられた牛や豚は、各地のとさつ場(食肉加工場)に運ばれます。そこで、眉間に針を撃ち込まれ、気絶させられ、血をすべて抜かれ、頭、足と解体されていきます。なぜ気絶させてからか。簡単にいうと、気絶させないとお肉がまずくなるから。そして、できるだけ動物に苦痛を与えないため。

省略して書きましたが、以上が、牧場からパックになるまでの隙間の事実です。これを教えてくれたのが、テレビディレクター・映画監督の森達也さんの著書「いのちの食べかた」。

この本は、前述したような、豚や牛が牧場から加工されるまでの話からはじまります。でも、この本はただ単にお肉を食べるなとか、ヴィーガンがいいとか、そういう結論で終わる話ではありません。

その答えは、本の最後にでてくるこの一節にありました。

「......ほかの「いのち」を犠牲にしていることを、僕らはもっと知るべきだ。どうやって知ればよいか? しっかりと見るだけだ。目をそむけずに見るだけで、あるいはきちんと見ようとする気持ちを持つだけで、きっと僕たちは、いろんなことを知ることができるはずだ。」

食に限らず、大切なのは現実を「知る」こと、「忘れない」こと。普段当たり前だとおもっていること、他者(人に限らず)にしっかりと目を向けることで、もっと人を、ものを大切にできるし、「生きる」ことを大切にできる。

そんな、当たり前に知らなければいけないことを、教えてくれた一冊でした。

[いのちの食べかた]
著者:森達也
価格:1,050円(税込)
出版社:理論社

photo by Thinkstock/Getty Images

(マイロハス編集部/佐々木崇)



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