食べ物を前にしたとき、まず入ってくるのが目からの情報です。そして鼻からは、匂い。食べ物を口に運んだら、舌では味を、耳では咀嚼するその音を楽しみます。
でも、箸やフォークではなく手で直接食べ物をつかむとき、指先でもその食べ物を感じることができるのです。これはつまり、五感すべてを使って食事をする、ということ。この食事を味わい尽くせるスタイル、食いしん坊にはたまりません。また、手で食べるという行為は、口に運ぶ前にその食べ物の温度や硬さが脳に伝わるため、消化しやすくなると聞いたことがあります。
食事中にテレビを見たり、おしゃべりに夢中になりすぎたりせず、目の前の食ベ物に対峙する。五感をフルに使って食事をすることで、食べ物の味をより深く繊細に感じることができます。そしてこれは、今、目の前にある現実に注意を向ける瞑想的な行為でもあります。
今日食べたもの:中華丼沖縄のフーチャンプルー用の車麩を使った中華丼です。フライパンにごま油、ヒン、みじん切りにした生姜を入れて香りを出し、一口大に切った野菜、水で戻した車麩を入れて炒めます。野菜は冷蔵庫にあるものを適当に使いますが、葉野菜と根菜がバランスよく入るようにしています。だし汁を加えて煮立てたら、塩と醤油少々で味つけし、とろみをつけてできあがり。硬めに炊いたごはんにのせていただきます。
とろみをつけるのには葛粉か片栗粉を使います。寒いときには体を温める葛粉を、暑い夏には体を冷やす質を持つ片栗粉を、と季節や体調によって選んでいます。
※ ヒンはインド料理などでよく使われるスパイス。輸入食品を扱うスーパーなどで手に入ります。