プチ断食といえば、内臓を休ませることで機能を回復させたり、アンチエイジングを効果的にしたりな、カラダによい効果があるといわれています。しかしカラダだけでなく、じつは心にも良い影響があるそうなのです。そのヒントとなるのが、プチ断食によって生まれる「食べたい」という強い煩悩です。
曹洞宗の僧であり臨床心理士でもある吉村昇洋さんの著書『心が疲れたらお粥を食べなさい。 豊かに食べ、丁寧に生きる禅の教え』では、美味しいものに対する執着心、空腹で感じる怒りの心、食への意味を理解しようとしない無知の心、この3つの煩悩が露見しやすい食事の場こそ修行をするには最適であると書かれています。
食行為に三毒(3つの煩悩)が露見しやすいのは、やはり生きながらえようとする自己のいのちと直結している行為だからなのでしょう。
(「心が疲れたらお粥を食べなさい。 豊かに食べ、丁寧に生きる禅の教え」190ページより引用)
人としての基本に帰る修行者にとってはこれら煩悩は克服すべきものとして書かれていますが、逆に食事を制限するプチ断食をすることよって、より強く表われる煩悩に苦しめば苦しむほど、カラダは「生きたい」と訴えているのだとも気づかされます。
美味しいものを食べて元気になりたいという思いも、お腹が鳴るのも、カラダが健康に生きたがっている証拠です。
プチ断食をすることによって現れる飢えが、「どうして? なぜ?」なんて頭でモヤモヤと考えるよりも「とにかくカラダのためにも、しっかりと生きなければ」といった、人としての基本にたち返らせてくれそうです。
[心が疲れたらお粥を食べなさい。 豊かに食べ、丁寧に生きる禅の教え]
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