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「どうせダメだから」という壁の越えかた

2014/11/08 23:30 投稿

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やりたいことはあるけれど、その目標があまりに高く、遠く見えるとき。「がんばったって、どうせダメだろうし......」と諦めてしまうことがあります。

でもその目的地にたどりつくためには、垂直な壁をよじ登るしかないのでしょうか?

アゴタ・クリストフが『悪童日記』を出すまで

もしかしたら、ちょっとずつレンガを積み上げて、階段を作ることができるかもしれません。もしかしたら、丈夫な木を植えて育てて、その木の枝を伝って壁の上にたどりつけるかもしれません。

そんな「ささやかでも、できることを積み上げて」いくことで、絶対に不可能と思えた目的地にたどりつくことができると教えてくれたのは、世界的なベストセラー作家のアゴタ・クリストフです。彼女の自伝『文盲』には、ハンガリーからフランス語圏に子連れで亡命して、しゃべることも聞きとることも、もちろん書くこともできないフランス語を一から学んでいったようすが描かれています。

子どもを育てるために工場で働き始めたアゴタは、まず同僚とおしゃべりをするためにフランス語を勉強し始めます。でもそれは、日常生活をかろうじて保つための最低限の外国語を学んだというだけの話でした。

アゴタには「本を書きたい」という夢がありました。母国を捨てた時、その思いはいったん崩れ去りましたが、新しい言葉をしゃべることができるようになり、読むことができるようになり、次に学校に通って書く勉強をした彼女は、ついに、10年がかりでフランス語で本を書けるまでになったのです。それが出版社に認められて『悪童日記』として出版されたのでした。

わたしは、自分が永久に、フランス語を母語とする作家が書くようにはフランス語を書くようにならないことを承知している。けれども、わたしは自分にできる最高をめざして書いていくつもりだ。

(『文盲』P90,91より引用)

現在、アゴタ原作の映画『悪道日記』が公開中。アゴタ作品をまだ読んだことのない人は、彼女がどうしても表現したかった世界観に触れるチャンスです。

[文盲, 悪道日記]

Little girl is blowing a soap bubbles via Shutterstock

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