そのなかでも、農林水産省の「郷土料理百選」に選ばれた「ごまだし」は、佐伯きってのソウルフードです。
かつては各家庭ごとに「自家製みそ」のように代々伝わるレシピが存在したとされる「ごまだし」ですが、核家族化や過疎化に伴い、だんだんと忘れられていきました。
そこで、「地元の宝を残したい」と地域の女性たち「漁村女性グループめばる」の想いが結集。漁師町として古くから栄えて来た佐伯の郷土料理として、「ごまだし」は息を吹きかえしたのです。
メインの材料となるのは、その日の朝に水揚げされたアジまたはエソ。その身を焼いてほぐしたら、すり鉢でごまと一緒に擦りあわせ、醤油やみりんなどの調味料で味を調えて完成。
主に、うどんに入れて「ごまだしうどん」として食されてきました。
ごまの甘みと魚の塩気が絶妙のバランスで、最後の一滴まで飲み干したくなる深い味わいです。スプーン1杯分を取りいれるだけで、ひとり暮らしの偏りがちな食生活でも海の恵みを摂取できます。
小腹が空いたときに、乾燥ワカメやとろろ昆布と一緒にお湯で溶かして、スープ代わりにするのもオススメ。また、アンチョビやバーニャカウダのように使うなど、さまざまなレシピも開発されています。
9月25日にはごまだしを使った料理を集めた「海の恵み 佐伯ごまだしレシピ」(桑原政子・著)も発売になりました。海の恵みを、毎日の食卓でも味わっていただきたいです。