これまでたくさんの女性のご相談を受けさせていただいてきましたが、そのなかでも、とくに不幸な恋愛となってしまう根本的な原因のひとつが「見捨てられ不安」です。
いまの彼と上手くいかなかったら、もう次はないかもしれない、だから不適切だと分かっていても別れられない。
我慢して辛いけれど、でも見捨てられないために頑張らなきゃ......。
頭では理解していても、どうしても恐れが先行して行動できない。こうした心理は特別なものではなく、誰にでもあるものなんですね。
こうした見捨てられ不安には、いったいどのように対処していけばよいのでしょうか?
拙著「恋愛レッスン-永遠の絆のつくりかた」から抜粋して、そんな女性たちの悩みを解決していきたいと思います。
まず、見捨てられ不安は、実際に過去、見捨てられた経験があったり、見捨てるぞと脅された経験がある人ほど、強く作用します。
親子の間でこうしたやりとりがあったり、あるいは子供時代、突然友達が離れていってしまったり......。こうした経験があると、それがトラウマになってしまい、恐怖が生まれるのです。
大人になってからも見捨てられ不安が強い場合は、こうした「過去の経験」が癒されておらず、ずっと心のなかで継続していることが多いのです。
もう子どもの頃のはなしだし、終わったこと......と頭ではわかっていても、心の底では「またあのときのようになるかもしれない!」という得体の知れない不安とストレスを感じつづけてしまっているのです。
●大人になった自分の力を再確認しようこうした見捨てられ不安を止めるためには、まず「子ども時代の無力な自分ではない」ということを感じながら、自分を安心させていくことが大切です。
たとえば、子ども時代に友人が離れてしまい、つらかった経験があったとしたら、「いま、もし大人になった時点で相手が離れていったとしても、その後に話しあうことを提案したり、会いにいったり、自分から相手と関わることをはたらきかけることもできる」という考えを採用します。
トラウマというのは、ほとんどが「子ども時代の無力な、なにもできない自分」という当時の自分視点での思考に基づいています。
だからこそ、「いまは無力な自分を卒業したんだ」ということを、しっかりと自覚していくことが必要です。
●相手の責任・相手の問題を背負い込まないそして、もうひとつ大切なことが、「突然、関係を切ったり、見捨てる人がいたとしても、それは相手の感情や衝動かもしれない」という点を、しっかりと客観視することです。
たとえば、どんなに自分が頑張って愛情を築こうとしても、相手がもともと不安定な人で、感情や気分で関係を断つクセをもっていたとしたら「自分の誠実さ」にかかわらず、その関係はダメになります。
そこで自分を責めることなく、あくまで「自分は誠実に接していたけれど、相手には問題がなかったかどうか?」ということを見極めていきます。
じつは、見捨てられ不安を感じてしまう人ほど、相手の問題点を見ずに、ただ「私が悪いから捨てられないようにしよう」「相手に受け容れてもらうために100%頑張ろう」と思ってしまいがちです。
けれど、実際には、どんなに自分が愛情を注いだとしても、相手に意欲がなく、続かない関係もあるということを、自分のためにやさしく受けとめてあげることも大切なんですね。
●心はとても不思議なものまた、自分自身はじつは愛情深く接していたし、誠実に接していた......ということを実感できれば、必要以上に自分を責めることなく、「これからは、自分と同じスタンスの人と関わっていこう」というように、つぎの出会いに備えて自己価値を下げることもなくなります。
心とはとても不思議なもので、ほんの少し考え方を変えるだけで、自分のことを必要以上に小さく感じてしまったり、あるいは自分を信頼できるようになります。
しかし、そのどちらも、「クセ」であることが多いのです。愛し愛される関係を創るためにも、まずはあなた自身が自分のことをしっかりと認めてあげてくださいね。