沖縄に住むようになってから、パパイヤ、沖縄風に言えば「パパヤー」がぐっと身近になった。都会でも田舎でもニョキニョキ育っているパパヤーの木をよく目にする。豊穣な実は青いうちは野菜として、種類によるけれど熟して甘くなったら果物としてたのしめる。安くて酵素をたっぷり含むパパヤーは、残暑がきびしいこの地ではかかせない食材。
青い実の皮をむくと、とろんとしたミルク色の汁がしたたる。半分に割れば、真っ白い種がびっしりとつまっている。種をスプーンで取り除いたら、スライスしたり千切りにしたりして、炒め物やサラダにする。
フルーツパパヤーの鮮やかなオレンジ色の果肉に、シークワーサーをかけて食べる。わたしはいつも、この南国らしい舌にまとわりつくような濃厚な甘さのパパヤーを食べると、バリの島を思い出す。毎朝のように山盛りのパイン、スイカ、そしてパパヤーが出てくる。パパヤーはインドネシア語でもpapaya。それに薄くスライスしたトースト、粉っぽいバリコピという組み合わせ。滞在中は、飽きずにおいしいおいしいと食べた。
台湾ではパパイヤミルクをよく飲んだ。熟したパパヤー、コンデンスミルク、牛乳、氷をミキサーにかける。仕上げにきゅっとライムをしぼって出来上がり。
パパヤーの独特の香りは、きっとたくさんの人の旅の記憶に残っているだろう。
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