© Kensuke Tomuro
暑い夏になると聞きたくなるのが、爽やかな風を感じるオーガニックなサウンド。身も心もゆだねて、心地よい気分になりますよね。
そんなサウンドを奏でるミュージシャンとして知られるのが、グラミー賞受賞アーティスト、ジェイソン・ムラーズ。シングル「アイム・ユアーズ」は米ビルボードHOT100チャートにて76週連続チャート・インという新記録を樹立し、世界中で大ヒットしました。そんなワールドワイドに活躍する彼は、農場を持ち、自身でアボカドを栽培したり、環境保護活動を行ったりとエココンシャスなライフスタイルをおくっていることでも有名。
そのジェイソンが先日、来日。7月1日に行われたアップルストアでのイベントには多くのファンが詰めかけ大盛況でした。ホットとアイス用という2つの「マイボトル」を持って現れたジェイソンにいろいろとお話を聞くことができました。
photo / Kenta Terunuma
実は、ジャンクフードを食べていた過去
海外ツアー中も食べるものに気をつけるなど、ライフスタイル全般において意識の高いジェイソンですが、意外にも昔は正反対の生活を送っていたそうです。
「音楽活動をスタートさせた頃、実は、タバコを吸っていたし、ジャンクフードも食べ、ビールもすごく飲んで、とても"ロックンロール"なライフスタイルを送っていたんだ。
でも、10年前にサーフィンを始めたら、それまでの生活の仕方がなんだか"変"に感じて、もっと自分をいたわるようになった。そして、自分で料理をするようになったんだけど、その時に肉をどう調理していいのかわからなかったので、できることをやっていたら、自然にベジタリアンになったんだよ。そうしたら活力的にも感情的にも身体がどんどん変わりだして、調子もすごく良くなった。もう昔には戻れないね」
近い将来のためではなく、今できることの大切さ
今では、人権、環境保全、芸術と教育、復興支援のために活動をしている団体をサポートするために「ジェイソン・ムラーズ基金」を設立するなど、チャリティー活動に熱心なジェイソン。かつてはロックンロールな生活を送っていたとは驚きです。
彼のアクションをみていると、個人の意識を変えることで、社会をも変えることができることに気づかされます。
「マイボトルを使用したり、オーガニック農家のためにオーガニックフードを購入したりと誰でも今すぐにできることはたくさんあるよ。信頼できる商品を買って支援というのはシンプルな方法だよね。
食品や農産物だったら、リサーチしてどういうものなのか理解することも大事。(アメリカでは)商品の産地などをチェックできるiPhoneアプリもある。自分が口にするものが、どこから来ているのか、知っておく必要もあるね。
現状としては、経済が発展するにつれて、お金に起因する非合理な事態がいろいろと起きている。でも、真の価値というものは、お金ではない。ボランティア活動をしたり、自然に親しい生活をすることはすぐにでもできる。エココンシャスな生活を続けるということは、環境のためであると同時に、自分がどういう人間なのかということがわかり、自分のスピリチュアルな部分ともコネクトすることができるんだ」
待望のニューアルバムが発売!
そんなジェイソンのライフスタイルは、もちろん音楽にも影響を与えています。
「今回発売になるニューアルバム「YES!」はシンプルなトーンだったり、心に届くメッセージだったりとまさに、自分の生活がそのまま反映されているよ。聞いた人みんなが気持ちよくなるような音楽を作りたかった。そう考えるようになったのも、オーガニックな生活をするようになってからなんだ」
リスナーからもらった、サポートやインスピレーションを音楽を通して恩返したいと語るジェイソン。ガーデニング、サーフィン、ヨガなどをしながら得られる平穏や心地よさが、音楽となって、わたしたちの耳に届けられるんですね。
© Kensuke Tomuro
聞いているだけで癒され、優しく、どこか懐かしい気持ちにもなると同時にエネルギーも与えてくれるジェイソン・ムラーズのニューアルバム「YES!」。聞いていると、身体に溜まった疲れやトゲトゲしさを洗い流してくれて、まるで浄化されたような気分にもなります。
旅の最中に景色を眺めながら聞くのもいいですし、部屋でゆっくりする時に流してもぴったり。いつもの日々がより穏やかでカラフルになりますよ!