兵庫県との県境に位置し、京都府北部の京丹後市に所在する「HOLIDAY HOME」は、神戸に本店のある洋服と雑貨の店「B shop」が運営する、6室のみの小さなホテル。
日本海に面するリアス式の海湾の入口を沿岸流に運ばれてきた砂がほぼ閉じてしまったため、水辺の風景が湖のようにも見える久美浜湾をのぞむ丘の上に建ち、辺りは雑木林に囲まれています。
スタンダード・ツインの部屋。手前の椅子はデッキに向かって設置されています。
まるでひとつの村のように敷地内には、宿泊棟となる「HOTEL HOLIDAY HOME」、レストラン「Reception Garden」、洋服・雑貨・食品を扱う「Bshop 久美浜店」、蕎麦「ろあん 久美浜店」と、複数の施設が点在。宿泊客でなくとも、食事やお茶を味わったり、買いものを楽しんだり、ひとときを過ごすことができます。
島根・出西窯のカップ。「Bshop 久美浜店」にも、出西窯の器が並んでいます。
2年ほど前、ウェディング・パーティーに出席するため東京より足を運んだ友人から、とてもすてきな場所だと話しを聞き、いつか訪ねてみたい憧れの場所に。ところがその直後、改装工事のため長期休業に入ると知り、なかなか機会に恵まれないなあと淋しく思っていたのでした。
ホテルの客室棟は全て離れに。雑木林に囲まれているので、静かな空間。
レストラン「Reception Garden」。ランチタイム、ティータイム、ディナータイムに分かれています。
それから1年半、今年の4月にリニューアル・オープンしたHOLIDAY HOMEへ赴くことができたのは、京丹後市に隣接する兵庫県豊岡市の知人宅へ滞在の折。昼食にと案内していただいたのが敷地内の蕎麦「ろあん」で、他の施設も見学することができたのです。
「ろあん 久美浜店」のもり蕎麦。きのこ型の竹ざるは、京都の職人さんへの特注品。
「ろあん」の本店は兵庫県篠山市にあり、ミシュランの一つ星を獲得した蕎麦の名店として知られています。その2号店が、リニューアル・オープンとともにHOLIDAY HOMEに。コース料理が基本の本店の品書きに対して、久美浜店では単品での注文ができるのが嬉しいところ。より気軽においしい蕎麦の味を堪能できます。
「Bshop 久美浜店」でおみやげに買った「丹後オイルサーディン」。天橋立の風景がパッケージに。
昼食後は、「Bshop 久美浜店」でおみやげを購入。選んだのは、缶のデザインもユニークな「丹後オイルサーディン」に「鯛せんべい」と、地元のもの。その日はまだまだ先があったため、「Reception Garden」のティータイムに立ち寄りたいのをぐっとこらえ、ガラス越しに自然と一体化する客席を見つめるのみ。
久美浜までは京都駅から約3時間。最寄りの甲山駅からも距離があるので、車で訪れるのをおすすめします。
支配人のご好意で見学させていただいたホテルの部屋は、木々に囲まれた離れの個室で、デッキから久美浜湾の水面が見えました。広々としたベッド、ゆったり寛げるソファ、島根・出西窯のカップ、大阪・エルマーズグリーンカフェのドリップコーヒー、ストライプのパジャマ、室内のあらゆる備品に心を奪われながら、再訪を心に誓うのでした。