少人数制の講座は、女子会のような和やかな雰囲気。参加者が自分の香りエピソードを紹介する場面も。(リビングデザインセンターOZONE 7F 「暖炉とコンロ」にて)
「暮らしに香りをどう取り入れるか。大切なのは『鼻目線』です」と大橋さん。「鼻目線」とは、香りについて想像力を働かせること。「どんな場面で、どんな香りが、どんなふうに香っていたら心地いいか。自分の感覚に意識を向けてください」。
たとえば、朝、なかなかすっきり目覚めないとき。パートナーとケンカしてしまったあと。仕事で初めてのお客様にあうとき。どんな香りがあったらうれしいか、コミュニケーションがスムーズになるかを想像してみる。つい、アロマと聞くと、効能を勉強しなきゃと難しく考えがちですが、もっと自由に、自分の鼻と想像力でアロマを使うことで、香りのシーンが広がりそうです。
ここで、大橋さんおすすめの「香りのシーン」をいくつかご紹介します。
大橋マキさんおすすめ「すぐに実践できる、香りの活用法」
■名刺入れを香らせる
名刺入れや名刺に、ほんのりとアロマの香りをつけます。固くなりがちなビジネスシーンも、それがきっかけで会話が生まれるかもしれないし、なにより自分自身がリラックスできる。おすすめは柑橘系の香り。相手が心を開きやすくなるのだとか。
■日傘を香らせる
香りを上手に拡散させるには「熱+動き」が必要なのだとか。日傘は、ぱっと開く動き、太陽の熱を受けるという特性から、香らせる道具としてはぴったり。さわやかな香り、でもいいのですが、大橋さんのおすすめは「シナモン」。夏には意外に思えますが、スパイシーな香りで自然と力がわくのだそう。電車のなかやすれ違いざまにふっと香らせる。そんな使い方ができたら素敵ですね。
■アクセサリーを香らせる
イヤリングやブレスレットなどにお気に入りの香りをつける。自分と自分以外の大切な人にしか香らない、というスペシャルでロマンティックな使い方。布など香りを吸収しやすい素材のものがお勧めです。
■玄関マットやバスマット、絨毯などの浄化に
重層にアロマオイルを数滴たらし、シェーカーなどを利用してマットに振りかけます。15分くらい放置してから掃除機をかけると、マットの気になる雑菌を吸い込んで空気がさっぱりと浄化されるうえ、アロマがふわっと香り、とても気持ちのいい空間に。ミントやユーカリなどのさっぱりした香りがおすすめ。また毛足の長いマットでは重層の粉が白く残ってしまう場合があるので、ご注意を。
長い歴史のなかで培われてきた「香り」への思い歴史をひもとくと、神聖な場所では昔から香りが使われてきました。たとえば平安時代では不浄を払い邪気を避けるものとして、香りの強い香料や薬草を玉に入れた「薬玉」を軒先につるしたのだそう。そこにあるのは「目に見えないものには、目に見えないもので願いを託す」という思いではないか、と大橋さん。
いまは身近になった「香り」ですが、改めて、思いを伝えたり、願いを託す力を見直してもいいのかも。まずは、ちょっとしたヒトコトをメールですませずに、香りをつけたメッセージカードで渡してみる。そんな使い方から始めてみてもよいかもしれません。
講座の最後には、大橋さんと一緒に「ローズマリーミスト」を作る時間も。完成したのが一番上の写真。さっぱりとした香りが梅雨の時期にぴったり。
[リビングデザインセンターOZONE , 大橋マキさんブログ]
※今後の予定、セミナーの詳細はリビングデザインセンターOZONE「暮らしデザイン部」まで