マウイ島最高峰の休火山、ハレアカラ。息をのむような夕日や満天の星空など、人間のスケールを超えた宇宙の神秘を感じられる場所です。ここは古代神話に登場する聖地でもあります。
「ハレアカラ」とはハワイ語で「太陽の家」という意味。ポリネシア一帯に広がる半神半人マウイの神話に由来しています。あらすじは次のようなもの。
昔、太陽はあっという間に天空を駆けぬけてしまうので、昼間の時間が短かった。活動は制限され、作物も育たず、皆が困っていた。
そこで太陽をこらしめることにしたマウイ。
ハレアカラの噴火口に身を潜め、太陽が上って来るのを待った。光が差し込むのと同時に、マウイはロープで太陽をとらえ、今後はゆっくり進むことを約束させたという。
ハレアカラ山一帯は国立公園に指定されています。看板に描かれているのは伝説の場面。
山道を上がっていくと次第に霧が晴れ、気づくと雲は眼下に。植生も少しずつ変わっていきます。
標高3055メートルの山頂から見る火口の景色はまるで異世界。クレーターをめぐるトレイルなど、公園内にはさまざまなハイキング・コースがあります。希少な高山植物や鳥の姿が見られることも。
頂上まではレンタカーで来ることができますが、各社が企画するツアーを利用する方法も。サンライズやサンセットと合わせて夜の星空が観察できるものや、変わったところでは山頂で日の出を見てから自転車で麓まで降りてくるサイクリング・ツアーもあるようです。
訪れたときは強風のため、外にいると吹き飛ばされそうに。
展望台からゆっくり日没を眺める人々。
刻こくと変化する空の色にただただ、うっとり......。けれど、標高3000メートルを超える山の上なので、とても寒いです! 訪れる際は、防寒具を忘れずに。
(文・撮影/野澤朋代)