2011年に誕生した新進ブランド「Ticket TO Timbuktu(チケット トゥ ティンブクトゥ)」のバレエシューズは1足購入されるごとにヒマラヤ山麓・ラダック地方の学校に本が1冊支給されるシステムになっています。
このバレエシューズは、インド各地の伝統工芸職人の手によってつくられ、素材は国産のものを使用。製造過程でも恵まれない工芸職人や国内で革やジュートなどの素材を生産している人々、団体のサポートにつながっています。
豊富なラインナップも魅力のひとつ。北インドのラクナウ地方に伝わるチカンカリ刺繍が施されたバレエシューズは 、かつてイスラム王朝がインドを支配していたころの刺繍テクニックやデザインが活かされています。また南インド産のターメリックで染められたオーガニックコットン製のシューズや、ヒマラヤ山麓でつくられた野菜染めのレザーシューズ、さらにリサイクル・プラスチックでつくられたシューズなど、同じかたちでも素材や装飾が異なるだけでガラリと雰囲気が変わります。
インドでは、農家の次に工芸家が多いといわれています。近代化で工芸職人を取り巻く状況が厳しくなっていく中、こうして伝統の技と現代ファッションをつなぐブランドの今後に期待したいところです。