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言葉の壁を超えたおもしろさ。あの超大作がよみがえる

2014/04/07 13:00 投稿

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「プレイタイム」(c) Les Films de Mon Oncle - Specta Films C.E.P.E.C.

喜劇役者と聞くと、バスター・キートンやチャールズ・チャップリンを思いおこす人も多いと思いますが、ジャック・タチも忘れてはいけません。タチと聞いてピンとこなくても、きっとカラフルなグラフィックのポスターはきっと見たことあるはず。

フランスを代表する映画監督、ジャック・タチ

ジャック・タチは、フランスを代表する映画監督でありミュージックホール出身の喜劇役者でもあました。没後30年以上経っているにも関わらず、いまだに映画関係者はじめ多くのクリエイターやミュージシャンに強い影響を与えています。そんなタチの魅力が余すところなく楽しめるのが、4月12日(土)からスタートする『ジャック・タチ映画祭』です。

デジタルリマスターで甦る作品たち

今回、デジタル復元に行うにあたって、タチが制作当時に意図したことを忠実に再現するために、撮影日誌や制作資料から当時の手紙までを読みこみ、作業を行ったそうです。

そして、現存する素材から状態が良い部分を厳選し、各作品に適した方法を取ってタチが意図した編集を可能な限り復元することに成功したのだそう。初の長編作品から65年、長い年月を経て、タチの作品が美しくなって帰ってきました。

超大作「プレイタイム」の上映も

「プレイタイム」(c) Les Films de Mon Oncle - Specta Films C.E.P.E.C.

今回の映画祭では、彼の全監督作が一挙に上映されます。そのなかでも特におすすめなのが、超大作「プレイタイム」。この作品のすごさは、フランス映画史上類をみない制作費をかけたところ。

撮影日数345日、総制作費は15億フラン (当時の為替レートに換算して約1,093億円)、資金不足での中断は6回、挙げ句の果てには、タチを破産に追い込んだというのだから、桁外れの規模といえます。そして、興行的には大失敗......。

踏んだり蹴ったりの作品ですが、一部の観客からは熱狂的支持を得たり、近年ではカンヌ国際映画祭で上映されるなど再評価を受けています。

セリフなしでも楽しめる

「パラード」(c) Les Films de Mon Oncle - Specta Films C.E.P.E.C.

その他にも、アカデミー賞外国語映画賞に輝いた「ぼくの伯父さん」、遺作であり劇場初公開となる「パラード」、17分の未公開シーンを追加したデビュー作「のんき大将脱線の巻【完全版】」さらには、短篇作品など貴重な作品も一挙上映され、タチ初心者も上級者も楽しめるラインナップとなっています。

「ぼくの叔父さん」」(c) Les Films de Mon Oncle - Specta Films C.E.P.E.C.

くすっと笑えるユーモアさ、そしてシニカルなストーリーで、セリフがほとんどありません。だからこそ、言葉の壁を超え、人間らしさや哀愁をダイレクトに感じることがきるのです。細部にまで徹底的にこだわったデザインやアートや音楽のセンスも見逃せません。

最新技術が発達したいま「何十年も前にこんな映画が作られていたの!?」と驚くばかり、古さをまったく感じさせないタチワールド。その魅力をスクリーンから感じとってみてください。

ジャック・タチ映画祭] 
4月12日(土)〜5月9日(金)4週間限定 シアター・イメージフォーラムにて公開

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